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この香りで……。
第15章 女の勘
 奈々葉は自分の身体を探ってゆく。熱いシャワーを頭から浴びながら……。

 右の手が胸の柔らかさを確かめる。吸い付くようなその感触を楽しむ。

 その逆の手の中指と薬指が奈々葉のしっとりと滑らかな部分を滑る。指の先にハチミツのように粘りが集まる。

 ――ああ……。んん……。

 艶めかしい声を漏らしそうになって唇を結んだ。

 中指の先がプルンとした肉の芽を捉える。痛いような気持ちいいような感じが背筋を駆ける。

 今朝の里井との出来事が奈々葉の脳裏で再生される。

 ――ああ、部長、部長……。

 奈々葉の指に里井が降りてくるような気がした。

 奈々葉は身体をくの字に曲げて、ぬかるみの中心に突き立てる。里井の指に変わった自分の指先を……。奥に……。更に奥に入ると、ウネウネと動いて熱くねっとりとしたモノが指にまとわり付く。

 眩しい光が奈々葉の目の奥でフラッシュした。心臓がパンクしそうだった。底のない場所に落ちてゆく夢を見た後のように……。

「ぶ、部長、部長んん、ああ……んん。私……イク……イク……」

 グチョプチュという淫猥な音と、奈々葉の艶めかしい声がシャワーの飛沫に溶ける。

 奈々葉の膝から力が抜けて、床に崩れ落ちた。
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