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一夜だけの恋人 〜妹の姫初め
第2章 デートに
午後四時。
約束通り、俺はスマホで妹にメールを送った。
夏芽、七時、○○駅のモニュメントの前で待つ
:
:
案の定、夏芽の返事はなかった。
◇◇
三十分ほど遅れて、白いボーダーのワンピースにベイジュのチェスターコートを羽織った夏芽が歩いてきた。結婚式場に行く時に着る予定のドレス……。慣れないハイヒールでヨタヨタと所々にできた水溜りを避けながら……。
「よお……それ明日の……普通ので来いよな!」
「荷造りしちゃってて、無いの。これしか……」
と、夏芽が言ったあと、「お兄ちゃんだって……」と、妹の結婚式のために新調した俺の冠婚葬祭用のスーツの裾を引く。
「俺もないんだよ。これしか……」
と、笑ってみせた。
「お兄ちゃん、何、これ?」
夏芽は唇を尖らせ、自分のハンドバッグからスマホを出す。そして、その画面を指先でタップした。
俺にその画面を見せつける。
「……駅の……前で待つ……」
俺が送ったメールだ。
約束通り、俺はスマホで妹にメールを送った。
夏芽、七時、○○駅のモニュメントの前で待つ
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案の定、夏芽の返事はなかった。
◇◇
三十分ほど遅れて、白いボーダーのワンピースにベイジュのチェスターコートを羽織った夏芽が歩いてきた。結婚式場に行く時に着る予定のドレス……。慣れないハイヒールでヨタヨタと所々にできた水溜りを避けながら……。
「よお……それ明日の……普通ので来いよな!」
「荷造りしちゃってて、無いの。これしか……」
と、夏芽が言ったあと、「お兄ちゃんだって……」と、妹の結婚式のために新調した俺の冠婚葬祭用のスーツの裾を引く。
「俺もないんだよ。これしか……」
と、笑ってみせた。
「お兄ちゃん、何、これ?」
夏芽は唇を尖らせ、自分のハンドバッグからスマホを出す。そして、その画面を指先でタップした。
俺にその画面を見せつける。
「……駅の……前で待つ……」
俺が送ったメールだ。