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永遠に見えた世界
第2章 こいつ、ありえねぇ

担当者のしつこいグダグダが面倒だからと佐伯に車の用意をさせて俺は百貨店の通路を出口に向かって歩いた。通路の横からは、いきなり小さな女がフラリと出て来てモロに俺にぶつかった。
『ごめんなさい!!』
とその小さな女が叫んだ。この声はと俺は小さな女を見下ろした。小さな美奈が固く目を閉じたまま俯き加減に
『ごめんなさい!!ごめんなさい!!』
と全く俺を見ずに美奈はそう言い続ける。そう言えばこの場が適当に終わるみたいに美奈は全く俺を見ようとしない。
こいつ、ちゃんと俺を見ろよ…
と俺は思った。
だから俺は美奈の顎を指先で掴んで無理矢理に顔を上げさせた。美奈は閉じていた目を今度は大きく見開いた。
詫びるんならちゃんと俺を見ろよ…
そう思って綺麗な顔をやっと俺に向けた美奈に
キスしてぇな…
とか俺は考えてしまった。
だが顔を上げた美奈はただ驚愕していて完全に怯えた目を俺に向けた。
『それって詫びか?』
俺は美奈に聞いた。美奈は黙ったまま真っ直ぐに俺だけを見た。
こいつ、こんなに綺麗な顔しているのに意外とメイクが雑だな。ちゃんとすれば今以上に綺麗になるのに…。
そんな事を俺が考えた瞬間
『社長、お車の用意が出来ました。』
と佐伯が俺に言う。邪魔すんなよと言いたいがそれを言うわけにはいかない。俺は美奈の顎から手を離してその場を立ち去った。
俺の指先には美奈の細い顎の感触が残っていた。てかあいつが俺にぶつかった時、俺はほとんど何も感じなかった。いつも俺に抱かれたがる女達はずっしりと体重を俺に乗せて来る。
なんだか俺を柔道の寝技で押さえ込もうとするかのように体重をかけて来る女達。美奈はふわふわとしてて軽くて、まるで蜃気楼のような女だ。
手に入れないと…、いや手に入れてもすぐに消えそうな桜みたいな女。
佐伯がぼんやりとする俺に
『あのちっこい子が優誠の好みか?』
とか聞いて来る。佐伯は人前では無駄口は滅多に言わないが車とかで俺と2人だけの時なら本音を話す。
『まだ、わからねぇよ。』
俺は佐伯にそう答えた。ナンパみたいな真似だけは美奈にはしたくない。だけどあいつと知り合うきっかけなんか俺にはない。無理矢理に拐ったらそれはただの犯罪者だ。
『ごめんなさい!!』
とその小さな女が叫んだ。この声はと俺は小さな女を見下ろした。小さな美奈が固く目を閉じたまま俯き加減に
『ごめんなさい!!ごめんなさい!!』
と全く俺を見ずに美奈はそう言い続ける。そう言えばこの場が適当に終わるみたいに美奈は全く俺を見ようとしない。
こいつ、ちゃんと俺を見ろよ…
と俺は思った。
だから俺は美奈の顎を指先で掴んで無理矢理に顔を上げさせた。美奈は閉じていた目を今度は大きく見開いた。
詫びるんならちゃんと俺を見ろよ…
そう思って綺麗な顔をやっと俺に向けた美奈に
キスしてぇな…
とか俺は考えてしまった。
だが顔を上げた美奈はただ驚愕していて完全に怯えた目を俺に向けた。
『それって詫びか?』
俺は美奈に聞いた。美奈は黙ったまま真っ直ぐに俺だけを見た。
こいつ、こんなに綺麗な顔しているのに意外とメイクが雑だな。ちゃんとすれば今以上に綺麗になるのに…。
そんな事を俺が考えた瞬間
『社長、お車の用意が出来ました。』
と佐伯が俺に言う。邪魔すんなよと言いたいがそれを言うわけにはいかない。俺は美奈の顎から手を離してその場を立ち去った。
俺の指先には美奈の細い顎の感触が残っていた。てかあいつが俺にぶつかった時、俺はほとんど何も感じなかった。いつも俺に抱かれたがる女達はずっしりと体重を俺に乗せて来る。
なんだか俺を柔道の寝技で押さえ込もうとするかのように体重をかけて来る女達。美奈はふわふわとしてて軽くて、まるで蜃気楼のような女だ。
手に入れないと…、いや手に入れてもすぐに消えそうな桜みたいな女。
佐伯がぼんやりとする俺に
『あのちっこい子が優誠の好みか?』
とか聞いて来る。佐伯は人前では無駄口は滅多に言わないが車とかで俺と2人だけの時なら本音を話す。
『まだ、わからねぇよ。』
俺は佐伯にそう答えた。ナンパみたいな真似だけは美奈にはしたくない。だけどあいつと知り合うきっかけなんか俺にはない。無理矢理に拐ったらそれはただの犯罪者だ。

