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永遠に見えた世界
第2章 こいつ、ありえねぇ

港街だからか今夜は佐伯が珍しく俺に呑みに行こうと言い出した。良二なら女がいる店ばかりだが佐伯はBARみたいな店が好きだった。
『飯食ったら、呑むか。』
俺は佐伯にそう言った。佐伯はこの辺りではちょっと顔が広い。BARのオーナーは佐伯の同級生で佐伯が何かと面倒を見ている。
だからBARでは俺達はVIP扱いだ。結城や松森もたまには遊ばすつもりで俺はその店に呼んだ。1時間ほど呑み俺はトイレに行こうとした。
『危ない。』
サラウンドの女の子の音声が聞こえて来た。俺の目の前には見覚えのあるふわふわした髪が見えてそれは俺の胸の少し下で止まった。
俯いたままの小さな女が何故か俺の腕の中にいる。鈴が転がるような声で
『ごめん…。』
と小さな女が言う。美奈か?
と思った俺は確認するように
『また、お前か?』
と聞いた。佐伯が
『社長。大丈夫ですか?』
と言ってすぐに俺に駆け寄った。美奈がふわりと顔を上げてまた真っ直ぐに俺を潤んだ目で見ながら
『社長さんなんだぁ。じゃあ私を就職させてよ。』
と言った。
就職?こいつ酔っ払って意味がわからねぇ事を言ってやがる。俺は冗談のつもりで
『まずは面接からだな。』
と美奈に言った。美奈はしっかりと俺の服を掴んで
『お願いしまーす。』
と軽く言いやがる。美奈の友達の2人に
『君ら学生だろ?だいぶ酔ってるみたいだからこの子は送るよ。君らも、タクシー代を出すからもう帰りなさい。』
俺はそう言って美奈を抱えた。あまりにも軽くて全く何も感じなかった。
本当に俺は美奈を抱えてるのか?
俺が確認をしたら美奈は間違いなく俺の腕の中で気持ち良さそうにぼんやりとしている。
この中で一番人当たりが良く一番年配の結城が友達2人をタクシーに乗せた。結城は酒に弱くて飲まないから今夜は俺の運転手をする。だから結城がすぐに俺の前に車を回して来た。
俺が美奈に
『送ってやるから住所を言え。』
と言うと美奈は自分のバッグをゴソゴソと探し何故か学生証を俺に渡し
『多分これだよ。』
と意味のわからん事を言う。学生証は短大の2年、長谷川 美奈。誕生日が9月の20日。血液型はO型しかわからない。
『飯食ったら、呑むか。』
俺は佐伯にそう言った。佐伯はこの辺りではちょっと顔が広い。BARのオーナーは佐伯の同級生で佐伯が何かと面倒を見ている。
だからBARでは俺達はVIP扱いだ。結城や松森もたまには遊ばすつもりで俺はその店に呼んだ。1時間ほど呑み俺はトイレに行こうとした。
『危ない。』
サラウンドの女の子の音声が聞こえて来た。俺の目の前には見覚えのあるふわふわした髪が見えてそれは俺の胸の少し下で止まった。
俯いたままの小さな女が何故か俺の腕の中にいる。鈴が転がるような声で
『ごめん…。』
と小さな女が言う。美奈か?
と思った俺は確認するように
『また、お前か?』
と聞いた。佐伯が
『社長。大丈夫ですか?』
と言ってすぐに俺に駆け寄った。美奈がふわりと顔を上げてまた真っ直ぐに俺を潤んだ目で見ながら
『社長さんなんだぁ。じゃあ私を就職させてよ。』
と言った。
就職?こいつ酔っ払って意味がわからねぇ事を言ってやがる。俺は冗談のつもりで
『まずは面接からだな。』
と美奈に言った。美奈はしっかりと俺の服を掴んで
『お願いしまーす。』
と軽く言いやがる。美奈の友達の2人に
『君ら学生だろ?だいぶ酔ってるみたいだからこの子は送るよ。君らも、タクシー代を出すからもう帰りなさい。』
俺はそう言って美奈を抱えた。あまりにも軽くて全く何も感じなかった。
本当に俺は美奈を抱えてるのか?
俺が確認をしたら美奈は間違いなく俺の腕の中で気持ち良さそうにぼんやりとしている。
この中で一番人当たりが良く一番年配の結城が友達2人をタクシーに乗せた。結城は酒に弱くて飲まないから今夜は俺の運転手をする。だから結城がすぐに俺の前に車を回して来た。
俺が美奈に
『送ってやるから住所を言え。』
と言うと美奈は自分のバッグをゴソゴソと探し何故か学生証を俺に渡し
『多分これだよ。』
と意味のわからん事を言う。学生証は短大の2年、長谷川 美奈。誕生日が9月の20日。血液型はO型しかわからない。

