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永遠に見えた世界
第3章 ファーストキス?
俺は美奈を口説くつもりなのに俺達は何故か険悪なムードに突き進む。

俺が悪いのか?

そう思って俺は

『だからモタモタすんなって言ったんだ。後15分で着くから我慢しろ。』

と美奈に言った。美奈はまたどうでもいいように窓の外をぼんやりと見た。

腹が減っている美奈を海辺のホテルのステーキハウスに連れて行った。この店は俺はよく仕事では来るけれども他の女とは来た事がない。他の女と行った場所で他の女を思い出すような飯だけは絶対に美奈とは食いたくなかった。

俺がいつも使う席に向かうと美奈が初めて俺に自分からついて来た。まるで仔犬がついて来るみたいだったが俺は嬉しくなった。

『そうやって、自分でついて来い。』

俺は初めて美奈に本音を言った。頼むから俺を見て俺だけにちゃんとついて来てくれよと美奈に思った。

店のオーダーは俺がした。美奈にはまた酔っ払ってもらうと困るから軽いスパークリングワインにした。酔っ払いは困るけど全く酒も無しでガチガチに緊張されてもこっちがやりにくい。

まだ未成年だから、軽く2杯ほど呑ませたら良いかと俺は思った。

食事が来るまでの間はずっと美奈が何故か難しい顔をした。美奈の目の前で焼かれている肉をまるで親の敵みたいに美奈が睨んでいた。

もしかして肉は嫌いなのか?

と俺は思った。だがそれは違った。美奈の前に前菜のスープが出された瞬間

『うひゃ、食べていい?』

と美奈の様子が変わった。それは子供みたいに目をキラキラとさせている美奈だった。本当に腹が減っていたんだと俺は笑ってしまった。

『早く食えよ。』

俺がそう言うと俺の言葉に初めて嬉しそうに美奈がスープを飲み始めた。ガツガツはしていない、でも、ニコニコと本当に美味そうに飯を食う美奈だ。

よほど気に入ったのか、3杯目のスパークリングワインを頼もうとする美奈を俺が止めた。美奈は大袈裟にまた、この世の終わりが来たような顔をする。

たかが、ワインでなんて顔しやがるんだ。俺は一応、美奈に確認してみた。

『お前、就職の面接するんだろ?この前みたいに酔っ払って面接するつもりか?』

俺の質問に思い出したように美奈は

『あ…、そうだった。お兄…、社長さんの会社って面接したら就職させてくれるの?』

と言い出した。
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