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永遠に見えた世界
第10章 絆
わざわざまだ盆休み中の日曜日に出勤をした理由は盆休み中の現場の報告書を確認する為だ。

幸い事故はなかったがこの休み中にゲリラ豪雨が何回か発生した為にコンクリートに水が溜まっているなどの報告が来た。

あまりに酷い場合は会社で稟議にかけて水処理の予算を組む必要も出て来る。それらをいち早く把握をしておくのが俺の仕事だ。

事故が起きてから、すみませんと社長が頭下げて済む時代じゃないからだ。だからこういう状況把握は常に必要な事だ。

今からは台風の時期だから特に嫌な季節になる。そうやって書類に一通り目を通して順番に仕事を片付けていく。昼飯前には社長室に佐伯がやって来た。

今日は本来なら会社はまだ盆休みだから佐伯はいつも通りの態度を俺に取る。佐伯が

『優誠の彼女…、美奈ちゃんがここに来るのは明日からだっけ?』

と俺に聞いて来る。俺は

『とりあえずは週3日な。あいつ、一応は就活中らしいからな。』

と答えた。佐伯は

『ちょっと変わった子みたいだからね。』

と言ってクスクスと笑いやがる。俺は佐伯に

『親父の反応は?』

と聞いた。佐伯は

『親父はまだ遊びの範囲だと思っているよ。優誠は本気なのか?』

と更に俺に聞いて来た。

『本気の前に…、御剣はともかく水原の説明が美奈には出来ねぇよ。』

『どうするつもりだ?』

『タイミングを見てから美奈には話す予定だよ。だけど水原は大翔が継ぐと決まっている以上、俺には本来は関係がないからな。』

そんな俺の話しに佐伯は

『話すのなら俺が時間稼ぎを出来るうちに頼むよ。』

とだけ言った。親父達には今はまだ佐伯から俺が遊びの女として美奈を扱っているという報告が行っている。俺が本気だとなれば親父達が余計な事をやりかねない。

今の美奈ではまだそんな状況に巻き込んだら簡単に俺から逃げ出してもおかしくない。あいつと俺の絆なんかまだその程度だと俺は思い知らされる。

手に入れても簡単に失う程度の絆か…。

俺は段々と凹みたくなって来た。佐伯は綺麗な顔をクシャクシャにして

『初めての本気だとあの優誠がまるで中学生みたいになるんだな。』

と俺を笑った。
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