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永遠に見えた世界
第10章 絆
考えてみりゃ、この現場の会社の親会社の一番トップであるのは今、俺の目の前に居る御剣の親父だ。

なのに御剣の親父は

『誠ちゃんとご飯食べたかったのに…。いいよ、現場に行っておいでよ。良二君によろしくね。』

と呑気に俺に言いやがる。俺は頭だけを下げて親父がいた商社を出た。佐伯に良二が居る現場に俺も向かうと告げると佐伯は車を発進した。

現場に着いたら先に来ていた良二が

『馬鹿な連中がこの現場が未払いだと難癖を付けて来たから現場が今、止まっているんだ。』

と状況を俺に説明する。どうやら末端の下請けが工事代金の未払いを受けたらしい。しかもその下請けは小金目当ての極道者に付き添いを依頼をして現場に怪しい請求に来たと言う内容だった。

まずは佐伯の出番だ。

『どこの者だ?剣菱の現場は水原が仕切りなのは誰でも知ってるだろ?』

と言って怪しげな馬鹿な連中を追い払う。後に残された惨めな下請けの社長を俺は現場事務所に呼び出してやる。

下請けの社長は後ろ盾の極道者が通用しないとわかると何故か怯えてビクビクとし始めた。

だから俺はその下請けの社長にあくまでも労賃の請求だけを認めてやる。

その後は弁護士を使って法的に解決しろと良二には指示を出す。更に俺は末端の下請けに未払いをした会社に支払い停止の指示をうちの会社の下請けにも出した。

ああ…、面倒くせぇ…。

俺はそんな事を考える。うちの会社は確かにゼネコンクラスだがその末端になればなるほど怪しい会社が入り込んでこういう未払いをやらかしてくれる。

建設業はその手の話しがやたらと多い。だから労賃などの法的な仕切りだけは俺は支払いを認めている。どうせ未払いの会社に払う予定の金を支払わずにそっちに回すというだけでうちの会社には被害はない。

未払いをやらかした会社にはこっちの弁護士が法的にこちらの被害減額についての内容証明を出したら黙って従うか下手をすれば夜逃げをしやがる。

そしてその責任はうちの会社にではなくうちの下請けに行くのだから結果は同じだ。

ただ俺は工期だけをとにかく守らせる。だから現場にとって邪魔な者は手段を選ばずに排除してでも完璧にそれだけを守らせる。それが水原の名前を使う事になったとしても構わないと俺は思っていた。
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