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永遠に見えた世界
第11章 馬鹿女!!
赤い顔で自分を消してしまいたいような不安そうな美奈はまだ半泣きでソファーの手前で立ちすくんだままだ。

『おいで。』

と手を広げて俺が美奈に言ってやると美奈がやっと俺の上に座って来た。美奈は俺にしがみついて自分を責めるようにしてまた泣き始めた。

別に泣く必要はないし俺は気にしてもいないのに美奈はただ静かに泣いた。

やっぱり美奈はふわふわとしていて体重をほとんど感じない。俺は美奈の泣き顔だけはあまり見たくはないなとだけ考えながら美奈の背中を撫でやった。

俺はやっと落ち着いて来た美奈の額にキスをしてやる。美奈はずっと俺にしがみついていた。

『大丈夫か?』

と俺が聞いたら美奈は

『ちょっとお腹が痛い。』

と答える。もともと体力がない美奈の生理のレベルが俺にはまだよくわからない。生理がキツい女は全く動けなくなるくらいに辛いって知識くらいしか男の俺にはわからない。

病気じゃないのはわかっているが美奈には無理は一切させたくない。多分、俺は美奈に対してはかなり過保護になっている。俺は

『なら、来週はバイトを休むか?』

と美奈に聞いた。美奈はすぐに

『それは、ダメ!!』

と叫びやがった。何故か美奈がまた不安そうな顔で俺を見た。いつもならぼんやりと何かを考えている美奈がちゃんと俺を真っ直ぐに見て答えた。

綺麗な毅然とした顔、くだらないものは寄せつけないという顔をした美奈。こういう時は俺の方が小さな美奈に圧倒されてしまう。

『美奈の好きにしろ。お前の未来はお前が掴め。』

と俺は美奈に言ってやる。美奈は一瞬、驚いた顔をして、それからまたいつもの美奈のぼんやりが始まった。

結局はそうなるのか?

俺は少し美奈に呆れてしまう。

だが美奈が突然、真っ赤な顔をして

『うひゃー!!』

と叫び出した。

今度はなんなんだ?

そう思った俺は美奈に

『なんだ?』

と聞いた。美奈はこの部屋で酔っ払ってとんでもない就活をしたのを思い出したらしい。俺がそれを笑うとまた真っ赤になって自分を消したいような顔をする美奈に俺は

『俺が美奈の未来になるんだろ?』

とからかってみた。美奈は少し怒ったように

『そうだよ。優誠が私の未来の会社になるんだよ。』

とヤケクソなキスを俺にして来た。
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