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永遠に見えた世界
第11章 馬鹿女!!
俺がそれでいいと言うと美奈は少しホッとした顔をした。出会った頃は全く俺を見ようともしていなかった美奈が今は美奈なりに俺をずっと見ているのが俺にはわかった。

その後はとにかく美奈には昼飯を食わせた。美奈はあまり食べたくないと言ったが俺は無理矢理にでも食うようにと美奈に言った。

俺の部屋に帰った途端に美奈が

『あのさ…、バイトの件だけど…。』

と言い出した。俺は

『なんだ?』

と聞いてやる。少し怯えたように美奈は

『私のお昼ご飯、優誠と同じじゃないとダメなの?』

と言い出した。普段ストレートな美奈がこんな風に微妙に遠回しに言う時はろくな事がない。俺は反射的に

『どういう意味だ?』

とキツい言い方を美奈にしてしまった。ゆっくりと自分の言葉を確認するように美奈は

『他の社員さんのお昼ご飯と私のお昼ご飯って絶対に違うよね?』

と俺に聞いて来た。

社員の昼飯まで俺が知るかよ…。俺自身だってまともに昼飯なんか食える日が少ないというのにいちいち他人の飯なんか気にしてられるかよ。

そう思うと美奈の言いたい事がわからない俺はイライラとして来てしまう。

『社員は多分社員食堂か外で適当に食っているんじゃねぇか?』

不機嫌な俺は美奈にぶっきらぼうに答えた。そんな俺に美奈が

『なら私も社員食堂で食べるよ。優誠と同じだとバイトじゃない気がするもん。』

と言い出した。

またか…。

と思った。俺にはそうやって平気で適当をするくせに変なところだけは適当ではなくなる美奈だ。

だから俺は美奈に

『それはダメだ。』

と言った。美奈は

『なんで?』

とまた食下がって来た。

少しは俺の事を考えてくれよ。

俺はそう思いながら美奈に

『俺が1人で食いたくないんだよ。仕事の都合で昼飯すらまともに食えないのに普通に食える日くらいお前と一瞬に食いたいからな。』

と言ってやる。だけど美奈のぼんやりがまた始まった。

頼むから余計な事を考えるを止めてくれ…。

と俺は美奈に言いたくなった。
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