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秘密のピアノレッスン
第13章 12年

大きな画面に映ったのは、12年前のピアノ発表会。白いドレスを来た女の子が出てきた。
え、これ……。
「わ、私ですか!?」
「そうよぉ、懐かしいでしょう?この年はお人形の夢と目覚め弾いたわね。ほーんとお人形さんみたい」
危なっかしいタッチで弾いていて、見てるだけでも心臓に悪い。
途中で通りかかった先生も佳苗先生に引っ張られて、一緒に見せられている。
「わーっ、先生は見ないで下さいっ」
「え、これ更紗ちゃん?何で見ちゃだめなの」
「何でもですっ」
ヘタだし、ドレスだけが妙に豪華で恥ずかしいよー!
私と先生のやりとりを見て、佳苗先生が大笑いしながら言った。
「大丈夫よ。このあと、奏馬も出てるもの」
「え……」
佳苗先生は、画面の中の小さい私が礼をした後、リモコンを取って早送りをした。
「ほら。高校一年生よ」
白いシャツに黒のスラックス。シンプルで上品な服装で……。若いけど、物腰は今の先生そのものだ。
「……あ」
聞き慣れたその曲は……。
「愛の夢……」
12年前の先生が、涼しげな顔で……今より少し荒削りに弾いている。
画面の中の先生も素敵だ。今の私より年下だというのに。
「そうそう。奏馬、この時に弾いたのよ。更紗ちゃん今練習してるんだって?」
佳苗先生も、黒く長い睫毛を伏せて画面に見入りながら、私に小首を傾げた。
え、これ……。
「わ、私ですか!?」
「そうよぉ、懐かしいでしょう?この年はお人形の夢と目覚め弾いたわね。ほーんとお人形さんみたい」
危なっかしいタッチで弾いていて、見てるだけでも心臓に悪い。
途中で通りかかった先生も佳苗先生に引っ張られて、一緒に見せられている。
「わーっ、先生は見ないで下さいっ」
「え、これ更紗ちゃん?何で見ちゃだめなの」
「何でもですっ」
ヘタだし、ドレスだけが妙に豪華で恥ずかしいよー!
私と先生のやりとりを見て、佳苗先生が大笑いしながら言った。
「大丈夫よ。このあと、奏馬も出てるもの」
「え……」
佳苗先生は、画面の中の小さい私が礼をした後、リモコンを取って早送りをした。
「ほら。高校一年生よ」
白いシャツに黒のスラックス。シンプルで上品な服装で……。若いけど、物腰は今の先生そのものだ。
「……あ」
聞き慣れたその曲は……。
「愛の夢……」
12年前の先生が、涼しげな顔で……今より少し荒削りに弾いている。
画面の中の先生も素敵だ。今の私より年下だというのに。
「そうそう。奏馬、この時に弾いたのよ。更紗ちゃん今練習してるんだって?」
佳苗先生も、黒く長い睫毛を伏せて画面に見入りながら、私に小首を傾げた。

