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秘密のピアノレッスン
第2章 目覚め
先生の指が、鍵盤を撫でるように押さえると、甘やかなメロディが始まる。
こんなに甘い曲を、少し冷たげな先生が弾くことのギャップを感じつつ、すごく……ドキドキした。
甘く甘く、重厚な音の並び。
美しい伴奏と、しっとりとしたメロディーが、先生の美しく長い指で繊細に紡がれる。
感情の薄そうな先生が奏でる音は、ゆったりとロマンチックで……。
胸を打たれてしまった。
最後は、優しい音で、終わりを告げる。
優しい指先から目が離せない。
「……とまあ、こんな感じで。4ヶ月あればいけるでしょ。他にはないの?興味ある曲」
先生の音は涙腺を刺激する。
喉が詰まって、胸が苦しくて、先生がピアノから立ち上がって振り向くまで、息を殺していたけれど、すぐに見破られてしまった。
「え。何で泣いてるの?」
先生は少し焦りが混じった瞳で、私の顔を覗き込むように近づいた。
「す、すごく……素敵だったので。すごく、すごく……心が震えてしまって……ごめんなさい」
覗き込む瞳が、柔らかく細くなる。
「……はは。感動したの?ありがと」
先生は……いたずらっぽく微笑んでくれて、私も、泣きながら笑った。
こんなに甘い曲を、少し冷たげな先生が弾くことのギャップを感じつつ、すごく……ドキドキした。
甘く甘く、重厚な音の並び。
美しい伴奏と、しっとりとしたメロディーが、先生の美しく長い指で繊細に紡がれる。
感情の薄そうな先生が奏でる音は、ゆったりとロマンチックで……。
胸を打たれてしまった。
最後は、優しい音で、終わりを告げる。
優しい指先から目が離せない。
「……とまあ、こんな感じで。4ヶ月あればいけるでしょ。他にはないの?興味ある曲」
先生の音は涙腺を刺激する。
喉が詰まって、胸が苦しくて、先生がピアノから立ち上がって振り向くまで、息を殺していたけれど、すぐに見破られてしまった。
「え。何で泣いてるの?」
先生は少し焦りが混じった瞳で、私の顔を覗き込むように近づいた。
「す、すごく……素敵だったので。すごく、すごく……心が震えてしまって……ごめんなさい」
覗き込む瞳が、柔らかく細くなる。
「……はは。感動したの?ありがと」
先生は……いたずらっぽく微笑んでくれて、私も、泣きながら笑った。