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秘密のピアノレッスン
第15章 グラス
――――……。

今、何が起こったの……?
ワインのアルコールでむせ返りながら、 そっと瞼に触れると、赤い血が指に触れた。


……切れてる?

よろよろと鏡の前まで行くと、眉の下に血が滲んでいた。

うそ……グラスが当たって?
投げつけられたグラスは絨毯の上に落ち、割れてはいない。
どうしよう、と焦りながらレッスンバッグに入っていた白い携帯を探しだす。

先生……。
こんなことで電話なんてされたら、困るかもしれないけれど。

数回聞こえるコール音の後。
「どうしたの?」と先生の声がした。

「先生、今、血が出てて……瞼が……ママのグラスが……当たって」

「えっ!?血!?」

「うん……ママ、出て行っちゃった。私……私が、怒らせたから……」

「出て行ったって……そこに誰もいないの?」

「うん……っ」

涙が溢れる。
泣くと傷が痛んで、まるで母に泣くことを阻まれているようで、肩を震わせて咽び泣く。

「待ってて。すぐ行く」

先生はそう言い、電話が切れた。
私はそのまま携帯を握りしめ、白い壁にもたれて、先生が来るのを待った。
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