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秘密のピアノレッスン
第16章 呪縛から
処置が終わり、息子先生が後片付けをしている間に、先生がぽつりと教えてくれた。

「……更紗ちゃん。この人、ゆいちゃんのパパだよ」
「え!? ゆいちゃんの!」

驚くのも失礼なのだが、風貌が違いすぎて声を上げてしまった。
ゆいちゃんは完全にお母様似のようだ。

「うちのゆいとお知り合い?」

息子先生はにこにこ笑いながら、座っている椅子の背にギっと体重を掛けている。

「あ、はい。クリスマス会で話しただけですが、今日、クッキーとお手紙をいただいて……」
「そうかぁ、そうかぁ、君が『ピアノのおねえちゃん』かぁ。ありがとう、ありがとう」

息子先生はがははと豪快に笑い、白い歯が見えた。
張りつめていた緊張が少し溶け、おおらかに笑う姿は、私の父と重なった。



先生と二人、衣笠クリニックを後にして、駐車場に置いてあった青い車に乗り込んだ。

「大したことなくてよかったね。……傷は」

先生はそう話すが、全く笑っていない。

長年、母も私の前でそんな顔をしていたから、先生のその顔も、自分がそうさせているような感覚になる。

「……奏馬さん、ごめんなさい。こんなに、お世話になってしまって」
「そんなのいいよ。謝るなよ」
「でも……ごめんなさ」
「謝るなって!」

強い口調に、ビクッと体が震えてしまった。
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