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秘密のピアノレッスン
第7章 雨

小部屋を出たら、淫靡な雰囲気は消えていく。先生がリビングの窓から外を覗く。
「雪に変わってる。車で送ろうか」
「だ、大丈夫です」
憧れの、素敵な先生。
知らない世界を教えてくれる先生は、溜息が出るほど素敵で、とけるように甘くて、少しだけ……怖い。
溢れて止まらない蜜を、執拗に味わっていて……私の瞳の奥を覗き込む姿。
私の全てを差し出すまで、逃がしてもらえない恐怖を感じながらも、先生がもたらす快感を貪る。
自分から、誰にも言えないお願いをして、やむなくつきあってもらっていると思っていたけれど――。
「ありがとうございました……っ」
レッスンバッグを抱えて広い玄関で黒のショートブーツをはく。
赤い傘を取り出し、先生にふかぶかとお辞儀をした。
先生は心配そうに玄関先まで出てきてくれた。いつもはリビングから出てくる来ることはない。
「本当に大丈夫? 外暗いよ?」
「はいっ、失礼しました」
ドアを開けて流れ込んできた冷たい空気に、火照った頬が一瞬で冷える。
エレベーターまで急ぐ私に背後から先生の声がした。
「更紗ちゃん。いつでもおいで」
先生は私がエレベーターに乗り込むまでずっとその場にいた。
「雪に変わってる。車で送ろうか」
「だ、大丈夫です」
憧れの、素敵な先生。
知らない世界を教えてくれる先生は、溜息が出るほど素敵で、とけるように甘くて、少しだけ……怖い。
溢れて止まらない蜜を、執拗に味わっていて……私の瞳の奥を覗き込む姿。
私の全てを差し出すまで、逃がしてもらえない恐怖を感じながらも、先生がもたらす快感を貪る。
自分から、誰にも言えないお願いをして、やむなくつきあってもらっていると思っていたけれど――。
「ありがとうございました……っ」
レッスンバッグを抱えて広い玄関で黒のショートブーツをはく。
赤い傘を取り出し、先生にふかぶかとお辞儀をした。
先生は心配そうに玄関先まで出てきてくれた。いつもはリビングから出てくる来ることはない。
「本当に大丈夫? 外暗いよ?」
「はいっ、失礼しました」
ドアを開けて流れ込んできた冷たい空気に、火照った頬が一瞬で冷える。
エレベーターまで急ぐ私に背後から先生の声がした。
「更紗ちゃん。いつでもおいで」
先生は私がエレベーターに乗り込むまでずっとその場にいた。

