パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第1章 イントロダクション

「僕が、怖がらせてるのかな？」

怒っているとばかり思っていたのに、先生はくるりと表情を変えて聞いてきた。

「え……そんなことは」
「ないの？」

ないこともないけれど……。どうしよう、言い訳しなければ。

「あ、あの、えっと」
「ふっ。顔に出てるよ。怖いよね。いつものおばさん先生がいるはずなのに、突然こんなおじさんがピアノ教室にいたら」
「あ、や、おじさんとは思わないです、でも、すごく……緊張しました……」
「そう」

メガネの奥で、涼しげな瞳が柔らかく変わる。
きちんとアイロンの掛かったシャツとネイビーのニットは、奏馬先生に良く似合っていて、佳苗先生譲りの黒髪はほどよく艶があって、仕草はそこはかとなく色香を放っていて。
モテる……だろうな。奏馬先生……。