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どうか、その声をもう一度
第3章 冬に溶ける憂鬱

乱れきった息。探り探りで秀治の耳に触れると、乳房を揉んでいた手が脇腹を滑り、ショーツの上から尻を掴んだ。指先がクロッチ部分にそっと触れる。鼻で笑った秀治の吐息が乳房にかかる。ぴたりとくっついた2本の指が薄い布越しに陰唇を撫でると、くちゅりと音が鳴った。

「もっと、触って」

返事の代わりに乳房を強く吸って、変わらずショーツ越しに触れる。甘ったるい声が口から逃げていった。私が身体を強張らせると、秀治は指を動かし、クリトリスを探し当てた。女性の身体の中で、唯一、快楽の為に存在する場所。力強く押されると、秀治の足を跨いで膝立ち状態だった下肢から力が抜ける。

私がへたり込んだ所為で、乳房から口を離す形になった秀治は空いた手でゆっくりと髪を撫でてくれた。そっと目を合わせると、幼子を見つめるように柔らかく微笑んでいる。彼のどんな表情も好きだけれど、この顔は特に好きだ。

「ん、んっ…ふっ…」

唇を少し突き出すと、ちゃんとキスをしてくれる。下を絡ませて、うっとりとぬるま湯のような快楽に沈んだ。息が苦しくなるくらいしつこくキスをして顔を離した。まだ服を着たままの秀治の胸に飛び込む。

「ベッド、行くか」
「ここでして」
「ダメだって。ゴムないだろ」

そんなの、いらない。出ていきそうな言葉を飲み込むために、キスをする。秀治に促され、寝室へ向かった。ベッドの掛布団を放り出し、身体を横たえる。服を脱いでボクサーだけになってからベッドに上がってきた彼は優しく私の髪を撫でた。

「寒いな。暖房つけるか」
「そんなのいい。ね、ぎゅってして」
「お前、ほんと身体冷たいんだけど」

逞しい腕に抱かれながら、尚もキスを求めた。手探りで秀治の股間に触れると、こら、と笑う。まだ、柔らかい。
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