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どうか、その声をもう一度
第3章 冬に溶ける憂鬱

「おい、待てって…」
「待てない。だって、秀治、明日から忙しいでしょ」
「そ、そうだけど…」
「私の疼きを満たせるのは秀治だけだよ」
秀治は私のこの言葉に弱いらしかった。キスも、セックスも求めるのは私からで、キスはともかく、セックスを渋る彼は私がこう言うと、顔つきが変わる。現に、今も行き場を失くしていた手が再び私を抱き締めて、彼の方から唇を合わせてきた。
キスをしながら秀治の手は私のニットの中に滑り込んでくる。彼の手はいつだって私の身体の隅々をそっとそっと確認するように私に触れた。冷え切った手。指先はゆっくりと脇腹をなぞったかと思うと背骨を撫でる。
ぞくぞくと身体中を走る快感。私も秀治のニットの中に手を潜り込ませた。引き締まった身体。誰にも触れさせたくない。
「秀治、いつものやって」
「……ん」
そう言って、服とタイツを脱ぎ捨てる。部屋の中は冷えていたけれど、興奮が身体を満たしている所為か寒さなど感じなかった。ブラジャーも放り投げ、秀治の首に腕を回す。ちゅ、と音を立ててかわいいキスをしてから彼の唇は私の乳房に触れる。
リップ音を立てて、何度もキスをして。それから乳首を口に含む。そうしながら反対側の乳首は指で転がす。そうしている秀治の頭部を抱え、彼の髪を撫でるのが好きだ。
「興奮してんの?硬いよ」
「寒くても乳首って硬くなるんだよ」
「へえ。じゃあ、やめるか」
「やだ。もっとして」
「はいはい」
「…んっ、もっと、強く」
ふうっと息を吹きかけて、甘噛み。強くとねだれば痛いくらいに噛まれた。でも、すぐさまぺろりと舐めて、口に含む。ねっとりと舌先で転がされると思わず腰が揺れる。
「あっ…ん、んんっ」
乳首を刺激しながらもう片方は大きな手のひらがゆったりと揉みしだく。指先で乳首を転がしたり、手のひら全体でやんわりと揉まれたり。秀治とこうしてセックスをするようになってから幾らか胸が大きくなったような気がする。

