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キズナツナグモノガタリ ~誠の男と性の少女~
第5章 特訓! 沙川花楓!!
「どうしたどうした! そんなんじゃ俺には勝てんぞ!」
不敵な笑みを浮かべて原田左之助が突き出す槍を、俺は紙一重でかわす。軌道を読んでの紙一重じゃない。本当にぎりぎりの対応を強いられての紙一重だ。
新選組五番隊組長、原田左之助。豪快な性格で知られる男は、大きな体から性格そのままの豪快な槍を繰り出してくる。さすがに新選組の幹部にまで昇り詰めた男。豪快ながら隙が無い。
技術で圧倒する戦いではない点においては近藤勇に似ているが、近藤以上に攻撃的な印象を受ける。
刀で槍を相手にするには相手の三倍の力量が必要だと言われる。とにかく間合いが違う。槍の方が当然長い。加えて槍の攻撃は突きだ。一点を狙うその攻撃を刀で受けるのは難しい。
相手が突き出してきた槍をかわし、引くのに合わせて自分も飛び込む。間合いの内側に入ってしまえば、小回りの利く刀の方が有利になる。
しかし達人は突くよりも「引く」に重点を置く。原田も例外ではない。突いたかと素早く引く。あの身のこなしの速さなら、もし飛び込めても槍を横に払って俺の接近を拒むだろう。それ以前に原田自身が後ろに引いてしまえば間合いは永久に詰められない。
豪快なくせに正確な槍捌きに、俺は苦戦を強いられた。
まだ無傷で済んでいるのは、それだけ原田に近付けていないということ。俺はただ槍の間合いの外でうろちょろしているだけ。そんなようなもんだ。
仕方ない。やっぱり『力』を使うしかない。
不敵な笑みを浮かべて原田左之助が突き出す槍を、俺は紙一重でかわす。軌道を読んでの紙一重じゃない。本当にぎりぎりの対応を強いられての紙一重だ。
新選組五番隊組長、原田左之助。豪快な性格で知られる男は、大きな体から性格そのままの豪快な槍を繰り出してくる。さすがに新選組の幹部にまで昇り詰めた男。豪快ながら隙が無い。
技術で圧倒する戦いではない点においては近藤勇に似ているが、近藤以上に攻撃的な印象を受ける。
刀で槍を相手にするには相手の三倍の力量が必要だと言われる。とにかく間合いが違う。槍の方が当然長い。加えて槍の攻撃は突きだ。一点を狙うその攻撃を刀で受けるのは難しい。
相手が突き出してきた槍をかわし、引くのに合わせて自分も飛び込む。間合いの内側に入ってしまえば、小回りの利く刀の方が有利になる。
しかし達人は突くよりも「引く」に重点を置く。原田も例外ではない。突いたかと素早く引く。あの身のこなしの速さなら、もし飛び込めても槍を横に払って俺の接近を拒むだろう。それ以前に原田自身が後ろに引いてしまえば間合いは永久に詰められない。
豪快なくせに正確な槍捌きに、俺は苦戦を強いられた。
まだ無傷で済んでいるのは、それだけ原田に近付けていないということ。俺はただ槍の間合いの外でうろちょろしているだけ。そんなようなもんだ。
仕方ない。やっぱり『力』を使うしかない。