この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
キズナツナグモノガタリ ~誠の男と性の少女~
第6章 神速! 沖田総司!!
「もし、どなたかいらっしゃいませんか?」
そんな声が道場に響いたのは、昼食を終えて道場の掃除をしていた時。
「あ、はーい」
きゅっと雑巾を絞って花楓が立ち上がる。
冬休みもあと三日。一学年上の花楓と暮らしていて助かることのひとつに、勉強がある。分からないところは聞けば何だかんだといいながらも教えてくれる。
おかげで俺は稽古に戦いに特訓にと忙しく過ごしながらも、宿題を無事に終えることが出来ていた。
何で冬休みってこんなに短いのかな。もう少し長くてもいいのに。
「あ、あの、小次郎?」
「ん?」
からん、と木下駄を鳴らして花楓が庭石を踏みながら戻って来た。俺はなかなか落ちない床の染みと格闘しながら背後に花楓の声を聞く。
「お客さんは?」
「うん、多分、あんたのお客さん…」
「俺の?」
「うん。あんたと、あとあたしにも、かな…」
どうも要領を得ない言葉に、俺は振り返る。
「あ、どうも。こんにちは」
花楓の後ろには、ニコニコと無邪気な笑顔をした若い男が立っていた。
浅葱色の段だら羽織を着た、帯刀の男が。
そんな声が道場に響いたのは、昼食を終えて道場の掃除をしていた時。
「あ、はーい」
きゅっと雑巾を絞って花楓が立ち上がる。
冬休みもあと三日。一学年上の花楓と暮らしていて助かることのひとつに、勉強がある。分からないところは聞けば何だかんだといいながらも教えてくれる。
おかげで俺は稽古に戦いに特訓にと忙しく過ごしながらも、宿題を無事に終えることが出来ていた。
何で冬休みってこんなに短いのかな。もう少し長くてもいいのに。
「あ、あの、小次郎?」
「ん?」
からん、と木下駄を鳴らして花楓が庭石を踏みながら戻って来た。俺はなかなか落ちない床の染みと格闘しながら背後に花楓の声を聞く。
「お客さんは?」
「うん、多分、あんたのお客さん…」
「俺の?」
「うん。あんたと、あとあたしにも、かな…」
どうも要領を得ない言葉に、俺は振り返る。
「あ、どうも。こんにちは」
花楓の後ろには、ニコニコと無邪気な笑顔をした若い男が立っていた。
浅葱色の段だら羽織を着た、帯刀の男が。