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キズナツナグモノガタリ ~誠の男と性の少女~
第6章 神速! 沖田総司!!
もし最初に沖田と戦っていたら、多分勝てなかった。
人懐こい笑顔とは別に、花楓と竹刀を交えた時の沖田からはそんな甘さを微塵も感じなかった。ただ女性を撃つのが苦手、というので手加減はしてくれたようだが、もし相手が俺だったらそうはいかなかっただろう。
初の真剣での立ち合いで、沖田の神速の剣を相手にする。
多分、一瞬で俺は串刺しにされていただろう。
ぶるっと震えがこみ上げてくる。
「勘違いしないでほしいのは、僕達が近藤さんの仇討ちという気持ちで戦いを挑んでいるのではないということです。もちろん、そういう気持ちがないわけではありませんが、近藤さんは結果に満足していたようです。なら、僕達があれこれ言うのは筋じゃありません」
ですが、と沖田はひとつ息を吸う。
「近藤さんを慕ってこちらに来た僕達はどうすればいいのでしょう? 僕達と近藤さんの絆は切れてしまったのでしょうか…いえ、きっとまだです。まだ切れていません」
沖田が見上げるのにつられて、俺も空を見上げる。
いい天気だ、きっと今夜も月が綺麗だろう。
「それを確かめるために戦います。あなたには迷惑な話でしょうが、戦いに応じて下さったこと…」
沖田が真剣な眼差しで俺に向き直る。
「感謝します」
そして深く頭を下げた。
人懐こい笑顔とは別に、花楓と竹刀を交えた時の沖田からはそんな甘さを微塵も感じなかった。ただ女性を撃つのが苦手、というので手加減はしてくれたようだが、もし相手が俺だったらそうはいかなかっただろう。
初の真剣での立ち合いで、沖田の神速の剣を相手にする。
多分、一瞬で俺は串刺しにされていただろう。
ぶるっと震えがこみ上げてくる。
「勘違いしないでほしいのは、僕達が近藤さんの仇討ちという気持ちで戦いを挑んでいるのではないということです。もちろん、そういう気持ちがないわけではありませんが、近藤さんは結果に満足していたようです。なら、僕達があれこれ言うのは筋じゃありません」
ですが、と沖田はひとつ息を吸う。
「近藤さんを慕ってこちらに来た僕達はどうすればいいのでしょう? 僕達と近藤さんの絆は切れてしまったのでしょうか…いえ、きっとまだです。まだ切れていません」
沖田が見上げるのにつられて、俺も空を見上げる。
いい天気だ、きっと今夜も月が綺麗だろう。
「それを確かめるために戦います。あなたには迷惑な話でしょうが、戦いに応じて下さったこと…」
沖田が真剣な眼差しで俺に向き直る。
「感謝します」
そして深く頭を下げた。