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キズナツナグモノガタリ ~誠の男と性の少女~
第7章 最終決戦! 土方歳三!!
新選組副長土方歳三。通称、鬼の副長。新選組最強の呼び声もあるほどの使い手。
受け取った三つ折りにされた巻き手紙を開く。
「…」
それに目を通した俺は言葉を失った。
「小次郎…?」
心配そうに花楓が声をかける。
「うん…」
「何て書いてあるの?」
「うん…」
俺は「うん」だけを繰り返し、ばさっと手紙を花楓に向けて翻す。
「読めない。読んでくれ」
あまりにも流暢な文字は俺には解読不能だった。
「は…?」
呆れを徐々に怒りに変えた視線と、じーちゃんのいつものバルタン笑い。
「だって仕方がないじゃん。こんなの読めないよ」
「…う、うん。確かにね」
よく歴史の資料とかで昔の人の手紙が紹介されてたりするけど、解説がないとほとんど読めない。現代文の解説と見比べてみて、いつくか単語を見つけられるのが精いっぱいのものも多い。
土方からの果たし状はまさにそれ。時代が変わると文字の書き方もこんなにも変わってしまうのだろうか。
「どれ、儂が」
亀の甲より年の劫、じーちゃんが手を伸ばして果たし状を引き取った。
「ふむ…」
「読めそう?」
花楓の期待と緊張の目が向けられる中、じーちゃんは黙って文面に目を通す。
「果たし状じゃな、間違いなく」
「何て書いてあるの?」
「内容はいたってシンプルじゃよ。土方という男は実に文章が上手いの」
「そんなことはいいから、早く教えてよ」
「もったいないのぉ。土方歳三からの手紙なんぞ、そうお目にかかれるものではないというのに」
勢い込む花楓にコホンと、じーちゃんが居住まいを直す。だけど残念ながら今回は背筋は伸び切らなかった。
「今宵亥の正刻、例の場所で待つ、とある。亥の正刻とは夜の十時。そして例の場所とはおそらく」
「うん」
じーちゃんの言葉を受けて俺が頷く。
「いつもの河川敷。そこに夜十時…」
受け取った三つ折りにされた巻き手紙を開く。
「…」
それに目を通した俺は言葉を失った。
「小次郎…?」
心配そうに花楓が声をかける。
「うん…」
「何て書いてあるの?」
「うん…」
俺は「うん」だけを繰り返し、ばさっと手紙を花楓に向けて翻す。
「読めない。読んでくれ」
あまりにも流暢な文字は俺には解読不能だった。
「は…?」
呆れを徐々に怒りに変えた視線と、じーちゃんのいつものバルタン笑い。
「だって仕方がないじゃん。こんなの読めないよ」
「…う、うん。確かにね」
よく歴史の資料とかで昔の人の手紙が紹介されてたりするけど、解説がないとほとんど読めない。現代文の解説と見比べてみて、いつくか単語を見つけられるのが精いっぱいのものも多い。
土方からの果たし状はまさにそれ。時代が変わると文字の書き方もこんなにも変わってしまうのだろうか。
「どれ、儂が」
亀の甲より年の劫、じーちゃんが手を伸ばして果たし状を引き取った。
「ふむ…」
「読めそう?」
花楓の期待と緊張の目が向けられる中、じーちゃんは黙って文面に目を通す。
「果たし状じゃな、間違いなく」
「何て書いてあるの?」
「内容はいたってシンプルじゃよ。土方という男は実に文章が上手いの」
「そんなことはいいから、早く教えてよ」
「もったいないのぉ。土方歳三からの手紙なんぞ、そうお目にかかれるものではないというのに」
勢い込む花楓にコホンと、じーちゃんが居住まいを直す。だけど残念ながら今回は背筋は伸び切らなかった。
「今宵亥の正刻、例の場所で待つ、とある。亥の正刻とは夜の十時。そして例の場所とはおそらく」
「うん」
じーちゃんの言葉を受けて俺が頷く。
「いつもの河川敷。そこに夜十時…」