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キズナツナグモノガタリ ~誠の男と性の少女~
第2章 決戦! 近藤勇!!

「う、ん…」
また寝息。
…寝息?
違う、寝息じゃない。うなされているんだ。
近藤へ挑むことへの恐怖か、それとも戦いからついに戻ることのなかった父親を思い出しているのか。
口ではああ言っていたけど、本当は怖いんだ。
俺は思い出した。あの時、俺が近藤に斬られた時のことを。
それまで怯えきっていた花楓が、俺が斬られた瞬間、近藤に向かて飛びかかっていった。
俺を守るため、きっとありったけの勇気を振り絞って。体を縛る恐怖を振り払って。
俺はいまだに戦う理由に迷っている。
でも、もういいじゃないか。理由なんて、考えなくていい。
寝返りをして布団から腕をはみ出させた花楓を見ながら俺は思う。
痛む右腕をかばいながら起き上がり、花楓の布団をそっとかけ直す。冬の夜だというのに花楓の額には汗が浮いている。
花楓のため。とりあえずは、それでいい。
俺のために勇気を振り絞ってくれた、この生意気な幼馴染のために。
俺は迷いが消えてちょっとだけすっきりした気分で布団に戻る。
僅かな間に冷えてしまった布団の中で、俺はもう一度、今度は声に出して言ってみた。
花楓のため、それでいいじゃないか、と。
また寝息。
…寝息?
違う、寝息じゃない。うなされているんだ。
近藤へ挑むことへの恐怖か、それとも戦いからついに戻ることのなかった父親を思い出しているのか。
口ではああ言っていたけど、本当は怖いんだ。
俺は思い出した。あの時、俺が近藤に斬られた時のことを。
それまで怯えきっていた花楓が、俺が斬られた瞬間、近藤に向かて飛びかかっていった。
俺を守るため、きっとありったけの勇気を振り絞って。体を縛る恐怖を振り払って。
俺はいまだに戦う理由に迷っている。
でも、もういいじゃないか。理由なんて、考えなくていい。
寝返りをして布団から腕をはみ出させた花楓を見ながら俺は思う。
痛む右腕をかばいながら起き上がり、花楓の布団をそっとかけ直す。冬の夜だというのに花楓の額には汗が浮いている。
花楓のため。とりあえずは、それでいい。
俺のために勇気を振り絞ってくれた、この生意気な幼馴染のために。
俺は迷いが消えてちょっとだけすっきりした気分で布団に戻る。
僅かな間に冷えてしまった布団の中で、俺はもう一度、今度は声に出して言ってみた。
花楓のため、それでいいじゃないか、と。

