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キズナツナグモノガタリ ~誠の男と性の少女~
第2章 決戦! 近藤勇!!
「柳生…」

 近藤が小さくつぶやく。
 
 俺の構えは右手に刀を携え、それを体に沿って下げただけのもの。全身に余計な力入れず、自然体で相手と向き合う。
 
 無形の位。

 型にはまらない、柳生独自の構え。近藤が一目でそれを柳生の剣と見抜いたのはさすがと言うべきか。

 俺は普段、この構えを使わない。あまりに自然体過ぎて逆に隙が多くなってしまうからだ。その隙間を剣気で埋めなければならず、今までの俺には使いこなせなかった。

 でも、今の俺なら使える。

 俺の体には、俺一人だけじゃなく花楓の神経も張り巡らされている。吹き抜ける風の厚みを感じ取れるほど、俺の感覚は研ぎ澄まされた。

 どんな攻撃が来ても無駄なく受けることが出来る。そして即座に最小の動きで最大の攻撃を放てる。

 柳生最強の剣。

「う…ん、くぁ…あっ!」

 花楓は体に何か刺激を感じているらしい。それがこの力の代償。立っていることも辛いのか、冷たい地面にぺたりと座り込んでいる。

「あっ、あ…ふぁ、ん…早く、これ、もたない、あうっ!」

 背後に向けてひとつ頷く。花楓の潤んだ瞳にそれは映っただろうか。でもきっと伝わったはずだ。顔を赤く染め、必死に戦ってくれている。

「来い、近藤」
「行こう、少年」

 俺の声に応じて近藤の剣気が膨れ上がる。びりびりと夜気を震わせ夜空に輝く星さえも瞬かせ、体に力を溜めていく。

 ありがたい。

 この構えはこちらから仕掛けるよりも、相手に仕掛けさせ後の先を狙うほうが威力を発揮する。
 近藤ほどの男、きっとそれに気付いているだろう。なのに自ら撃って出ようと力を溜めている。

 さすがの器量の大きさだ。

 この男と戦えることを光栄に思わなければいけない。
 いや、もし戦いの場ではないところで出会えれば…

 俺はその雑念を捨てた。考えるのは後でいい。
 俺に全身全霊を注いでくれる相手に、こちらも全力で応じる。

 それだけ。

 ぐっと近藤の体が一瞬縮む。来る、と思った刹那、今まで以上に鋭い斬撃が俺に襲い掛かる。
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