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キズナツナグモノガタリ ~誠の男と性の少女~
第2章 決戦! 近藤勇!!
「…見事だ、少年」
息が上がってしまった俺は言葉を返すことが出来ない。ただ近藤を見ていた。
俺の手には近藤を斬り裂いた時の感触が残っている。
斬った。そんな確かな手応えがあった。
近藤の体から噴き出す血は霧のように闇に溶けていく。いや、血だけではない。近藤の体も、また。
実体を持たない者の、これが末路…
「儂らにとっての生と死は、お互いの実感である」
思いの外しっかりした声で近藤が言う。
「そこにありたい、という強い意志が儂らを現世に留まらせ、お主達がそこにいる儂らを認識する。そうしてはじめて儂らは現世に姿を現すことが出来る。
お主は必殺の一撃で儂を斬った、と強く感じた。儂も斬られたと思った。その瞬間、体を保てなくなる。今の儂のようにな」
少しずつ、しかし確実に闇に溶けていく腕を近藤は持ち上げた。
その手にはまだ刀が握られたまま。剣客としての矜持は微塵も折れていない。そう示すかのように。
息が上がってしまった俺は言葉を返すことが出来ない。ただ近藤を見ていた。
俺の手には近藤を斬り裂いた時の感触が残っている。
斬った。そんな確かな手応えがあった。
近藤の体から噴き出す血は霧のように闇に溶けていく。いや、血だけではない。近藤の体も、また。
実体を持たない者の、これが末路…
「儂らにとっての生と死は、お互いの実感である」
思いの外しっかりした声で近藤が言う。
「そこにありたい、という強い意志が儂らを現世に留まらせ、お主達がそこにいる儂らを認識する。そうしてはじめて儂らは現世に姿を現すことが出来る。
お主は必殺の一撃で儂を斬った、と強く感じた。儂も斬られたと思った。その瞬間、体を保てなくなる。今の儂のようにな」
少しずつ、しかし確実に闇に溶けていく腕を近藤は持ち上げた。
その手にはまだ刀が握られたまま。剣客としての矜持は微塵も折れていない。そう示すかのように。