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キズナツナグモノガタリ ~誠の男と性の少女~
第2章 決戦! 近藤勇!!
「いい勝負だったぞ、少年。儂は満足した」
精も根も果てたか花楓はぐったりと地面に崩れ落ちている。荒い息をしながら、それでも眼だけはしっかりと近藤の姿を捉えている。
「しかし、その刀ではこの先の戦いは辛いだろう…ならば少年、頼みがある」
「頼み?」
「ふむ、儂の刀をもらってくれんか。このままでは儂の体と共に消えてしまうだろう。しかし、お主が強くこの刀を想ってくれれば、きっとお主の手に残る。
儂の命の剣だ…きっと闇の者も斬り裂く」
「まだ戦いは続く、と…?」
ふむ。幾分力を失くした声で近藤は頷いた。
「新選組の局長である儂が蘇ったのだ。他の隊士達もつられてこちらに姿を現すかもしれん。そうなったらまた、戦うのであろう?」
「…ああ」
「ならば受け取ってくれ、少年。儂は信念を持ってこの時代に厄災をもたらした。少年は時代の守り手となるのなら…その結果を儂に見届けさせてくれ」
体はすでに半分闇に溶けている。それでもまだ、近藤はそこにいる。星空を透かす腕で愛刀を俺に差し出した。
俺はそれを受け取った。ずっしりと重い刀を。
「ありがとう…小次郎」
俺が刀を受け取った途端、急速に近藤の体が消える。まるで俺が最後の頼みを聞き届けるまでそこにいたい、と願っていたかのように。
光を失った目が花楓に向けられた。
「守ってやれよ…」
お前達の絆の力、見せてもらった…
姿は消え、声だけが残り、それも消えた。
本当に全てが消えてしまった。
俺の手の中に虎徹を残して。
精も根も果てたか花楓はぐったりと地面に崩れ落ちている。荒い息をしながら、それでも眼だけはしっかりと近藤の姿を捉えている。
「しかし、その刀ではこの先の戦いは辛いだろう…ならば少年、頼みがある」
「頼み?」
「ふむ、儂の刀をもらってくれんか。このままでは儂の体と共に消えてしまうだろう。しかし、お主が強くこの刀を想ってくれれば、きっとお主の手に残る。
儂の命の剣だ…きっと闇の者も斬り裂く」
「まだ戦いは続く、と…?」
ふむ。幾分力を失くした声で近藤は頷いた。
「新選組の局長である儂が蘇ったのだ。他の隊士達もつられてこちらに姿を現すかもしれん。そうなったらまた、戦うのであろう?」
「…ああ」
「ならば受け取ってくれ、少年。儂は信念を持ってこの時代に厄災をもたらした。少年は時代の守り手となるのなら…その結果を儂に見届けさせてくれ」
体はすでに半分闇に溶けている。それでもまだ、近藤はそこにいる。星空を透かす腕で愛刀を俺に差し出した。
俺はそれを受け取った。ずっしりと重い刀を。
「ありがとう…小次郎」
俺が刀を受け取った途端、急速に近藤の体が消える。まるで俺が最後の頼みを聞き届けるまでそこにいたい、と願っていたかのように。
光を失った目が花楓に向けられた。
「守ってやれよ…」
お前達の絆の力、見せてもらった…
姿は消え、声だけが残り、それも消えた。
本当に全てが消えてしまった。
俺の手の中に虎徹を残して。