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キズナツナグモノガタリ ~誠の男と性の少女~
第3章 卑劣! 武田観柳斎!!
「俺は新選組二番隊組長、永倉新八だ」
「はあ…」
「っておい、いきなり溜息かよ」
俺と花楓の目の間に立つ男、永倉新八は予想外にタイミングのいいツッコミを披露してくれた。
「いや、悪い」
「どうかしたのか?」
「いやぁ、だってさ…やっぱりまた出るんだなって」
「お、おう…何か…すまん」
俺の溜息にしょんぼりと謝る永倉。
「まあ…喜んでくれるとは思わなかったが、まさかこんな反応をされるとは…」
「いやいや、悪い」
ごほん、とひとつ咳払いをして永倉が居住まいを直す。さすがに剣の達者揃いの新選組の中でも恐れられていたほどの使い手、ただ立っているだけでも強者の風格を感じさせる。
でもなぁ…
「最初が局長だったからね」
花楓の小さなつぶやきにぴくり、と永倉の肩が震える。
「で、次が組長。何か尻すぼみな感じよね」
ぴきっ! 永倉の顔が引きつった。怒っているというよりも痛いところをつかれた、とそんな顔。
「やっぱり…そう思うよな」
「うん」
花楓の容赦なく短い返事にがっくりと肩を落とす。先ほどのツッコミといいなかなか愉快な人だ。
「こ、近藤先生は何だって一番駆けなどされたのか…」
「やっぱり永倉も近藤のように、この時代を試すとか、そういう戦いをしに来たのか?」
あまりの落ち込みように何だか気の毒になってしまったので、ちょっと真面目な話を振ってあげた。
「いや、そうではない」
話の展開がまともになる気配を感じてか、ちょっとだけ立ち直る永倉。
「はあ…」
「っておい、いきなり溜息かよ」
俺と花楓の目の間に立つ男、永倉新八は予想外にタイミングのいいツッコミを披露してくれた。
「いや、悪い」
「どうかしたのか?」
「いやぁ、だってさ…やっぱりまた出るんだなって」
「お、おう…何か…すまん」
俺の溜息にしょんぼりと謝る永倉。
「まあ…喜んでくれるとは思わなかったが、まさかこんな反応をされるとは…」
「いやいや、悪い」
ごほん、とひとつ咳払いをして永倉が居住まいを直す。さすがに剣の達者揃いの新選組の中でも恐れられていたほどの使い手、ただ立っているだけでも強者の風格を感じさせる。
でもなぁ…
「最初が局長だったからね」
花楓の小さなつぶやきにぴくり、と永倉の肩が震える。
「で、次が組長。何か尻すぼみな感じよね」
ぴきっ! 永倉の顔が引きつった。怒っているというよりも痛いところをつかれた、とそんな顔。
「やっぱり…そう思うよな」
「うん」
花楓の容赦なく短い返事にがっくりと肩を落とす。先ほどのツッコミといいなかなか愉快な人だ。
「こ、近藤先生は何だって一番駆けなどされたのか…」
「やっぱり永倉も近藤のように、この時代を試すとか、そういう戦いをしに来たのか?」
あまりの落ち込みように何だか気の毒になってしまったので、ちょっと真面目な話を振ってあげた。
「いや、そうではない」
話の展開がまともになる気配を感じてか、ちょっとだけ立ち直る永倉。