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キズナツナグモノガタリ ~誠の男と性の少女~
第3章 卑劣! 武田観柳斎!!
申し訳ない、永倉。瞬殺でごめん。
いかに歴戦の強者とはいえ、そして刀を構えた姿が見事だったとはいえ、やっぱりおじいちゃんだった。勝負はいともあっさりとついた。
それでも永倉は満足そうな笑みを浮かべ、夜の空気に溶けていった。
「若い奴の剣は気持ちがいいな」
そう最後に言い残して。
俺は簡単に終わった勝負とは別に、永倉と言う人物が好きになった。
きっと隊士に慕われていたのだろう、そんな気安くも頼もしい兄貴分のような空気を短い間の邂逅とはいえ感じ取ることが出来た。実際俺や花楓の無礼な物言いにもノリよく応じてくれただけで、怒りも咎めもしなかった。
そして最後の言葉。
剣に生き、剣に死ぬ。そういう男達はとても気持ちがいい男達なんだな、と俺はそんなふうに思った。
だから俺はこの時、暗がりから俺達を見据える蛇蝎のような視線に全く気付けなかった。
いかに歴戦の強者とはいえ、そして刀を構えた姿が見事だったとはいえ、やっぱりおじいちゃんだった。勝負はいともあっさりとついた。
それでも永倉は満足そうな笑みを浮かべ、夜の空気に溶けていった。
「若い奴の剣は気持ちがいいな」
そう最後に言い残して。
俺は簡単に終わった勝負とは別に、永倉と言う人物が好きになった。
きっと隊士に慕われていたのだろう、そんな気安くも頼もしい兄貴分のような空気を短い間の邂逅とはいえ感じ取ることが出来た。実際俺や花楓の無礼な物言いにもノリよく応じてくれただけで、怒りも咎めもしなかった。
そして最後の言葉。
剣に生き、剣に死ぬ。そういう男達はとても気持ちがいい男達なんだな、と俺はそんなふうに思った。
だから俺はこの時、暗がりから俺達を見据える蛇蝎のような視線に全く気付けなかった。