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記憶の彼方に眠る恋
第6章 両親の決断、紗友莉たちの苦悩
 拓麻の両親は顔を見合わせる。
 その仕草を見て、拓麻は「図星だな」と心の中で呟いた。
 拓麻の父が毅然とした態度で言う。
「確かにお前は二度、望未さんとの婚約の話を断った。そのことは認める。だが、最終的に受け入れたことも確かなのだぞ。本人の意思を無視して、婚約のような重大な約束が交わせるはずないだろう」
 分が悪いと見た拓麻は、溜め息をついて言う。
「じゃあ、記憶を取り戻せばいいんだろ? 記憶を全て取り戻した上で、やっぱり婚約はナシにすると俺が言えば、受け入れてくれるよな?」
「ああ、もしお前本人がそう言うのであれば、私たちとしても無理やり話を進めるようなことはしないよ。記憶を取り戻したお前は、そんなことを言い出さないに決まってるけども……な。ただ、今のままダラダラと過ごしていては、記憶も戻らないし、建築士としてのお前の才能も台無しになっていくだけだから、それを危惧してるわけだ。1ヶ月以内に、記憶を取り戻せなければ、親の言うことには素直に従うように」
 拓麻は憮然として「分かった」と言った。
 渋々了承した格好だが、「絶対に記憶を取り戻し、その暁には晴れてA子と結婚する」という決意を固める拓麻。
 キッチンの窓からは、夏とは思えぬほど弱々しい光が一条、差し込んでいた。
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