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第6章 両親の決断、紗友莉たちの苦悩

　６時２０分ごろ、鳴澤が到着し、綾子に声をかけてきた。
「坂井さん、お待たせ。中元さんはまだ？」
「まだみたいなんですよ。紗友莉はプライベートでも大抵、１５分前には待ち合わせ場所に来てくれてるんで、ちょっと心配してるところです」
「なるほど、心配だね」
「多分移動中だとは思うんですけど……。待つしかないですね」
　綾子はそう言って、腕時計を確認する。
　鳴澤も頷いて同意を示し、二人はしばし紗友莉の到着を待つこととなった。

　だが、紗友莉はなかなか現れない。
　すると、６時２４分ごろ、綾子のスマホが音を立てた。
　鳴澤に向かって「ちょっとすみません」と一言断ってから、スマホを確認する綾子。
　見てみると、紗友莉からの着信だったので、綾子は慌てて電話に出た。