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記憶の彼方に眠る恋
第6章 両親の決断、紗友莉たちの苦悩
 それから二言三言、言葉を交わしてから電話を切る綾子。
 すぐに事情を鳴澤に説明したことは言うまでもない。
 鳴澤は綾子の判断が正しかったと褒めると、綾子と同じく不安を隠せぬ表情で言った。
「いつも元気な中元さんが、今週は本当に元気がなかったから心配してたけど……。いよいよますます心配だね」
「ええ。故郷のお友達にああいうことが起きてしまって、きっと心労が大きいんだと思います」
「早く丸く収まるといいのになぁ……」
 ここで言葉をいったん切り、腕時計を確認してから鳴澤が続けた。
「じゃあ、せっかく予約してあるんだから、二人だけで飲もうか」
 思わずドキッとする綾子だったが、こういう状況下でドキッとしてしまった自分に対し、強い憤りを感じた。
 思わず内心、「私って最低。紗友莉が心身共に疲れて、飲み会に来れなくなったこの状況で、まるで部長と二人で飲むことを期待しているなんて。本当に酷い」と思い、自責の念に駆られる綾子。
 だが、鳴澤の誘いはもっともなことで、ドタキャンはお店に迷惑がかかるし、そんなことをしたくないのは綾子も同意見だ。
 それに、後で紗友莉が、飲み会がキャンセルされたことを知れば、「自分が行けなかったせいだ」ときっと自らを責めてしまうだろうということも綾子には想像がつき、それも嫌だった。
 なので、後ろめたさを感じつつ、綾子が小さめの声で答える。
「そうですね。よろしくお願いします」
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