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記憶の彼方に眠る恋
第6章 両親の決断、紗友莉たちの苦悩

紗友莉が不在ということで、本来の目的を失った飲み会は、やはり最初のうちは固い雰囲気となった。
鳴澤はともかく、綾子のほうはかなり緊張していたということも、そうなった一因かもしれない。
酔いが回ってくると、徐々に話題は仕事のことから離れていき、少し和やかな雰囲気となった。
もっとも、二人とも心のどこかで、紗友莉の事を常に気にしており、「無礼講」といえるほどくだけた空気ではなかったが。
紗友莉を心配する気持ちからか、いつも以上に調子よくお酒をどんどん飲んでいく綾子。
綾子はお酒に弱いわけではないのだが、いかんせん量的に飲みすぎたこともあり、2時間後には机に突っ伏してしまった。
この期に及んで初めて、綾子が飲みすぎていたことに、鳴澤は気づく。
普段の慎重な鳴澤なら、こういう事態を招く前に、きっと綾子に「あまり飲みすぎないように」と注意くらいはしたと思われるのだが、彼自身も紗友莉への心配から飲みすぎていたらしい。
ぐったりするほどではないものの、それでも多少酔っていたことは間違いないので、判断力が鈍り、綾子の様子になかなか気づかなかったのだ。
鳴澤は心の中で「私が早めにストップをかけるべきだった」と悔やみつつ、綾子の肩をゆすると、どうにか綾子は身体を起こしてくれた。
「坂井さん、今日はこのくらいで引き上げよう」
「あ……え……。もう終わりですかぁ~?」
眠そうにまぶたをこすりながら、綾子が言う。
ますます、自分を責めながら鳴澤が答えた。
「うん、酒井さんも私も少し飲みすぎたみたいだ。会計へ行こう」
鳴澤はともかく、綾子のほうはかなり緊張していたということも、そうなった一因かもしれない。
酔いが回ってくると、徐々に話題は仕事のことから離れていき、少し和やかな雰囲気となった。
もっとも、二人とも心のどこかで、紗友莉の事を常に気にしており、「無礼講」といえるほどくだけた空気ではなかったが。
紗友莉を心配する気持ちからか、いつも以上に調子よくお酒をどんどん飲んでいく綾子。
綾子はお酒に弱いわけではないのだが、いかんせん量的に飲みすぎたこともあり、2時間後には机に突っ伏してしまった。
この期に及んで初めて、綾子が飲みすぎていたことに、鳴澤は気づく。
普段の慎重な鳴澤なら、こういう事態を招く前に、きっと綾子に「あまり飲みすぎないように」と注意くらいはしたと思われるのだが、彼自身も紗友莉への心配から飲みすぎていたらしい。
ぐったりするほどではないものの、それでも多少酔っていたことは間違いないので、判断力が鈍り、綾子の様子になかなか気づかなかったのだ。
鳴澤は心の中で「私が早めにストップをかけるべきだった」と悔やみつつ、綾子の肩をゆすると、どうにか綾子は身体を起こしてくれた。
「坂井さん、今日はこのくらいで引き上げよう」
「あ……え……。もう終わりですかぁ~?」
眠そうにまぶたをこすりながら、綾子が言う。
ますます、自分を責めながら鳴澤が答えた。
「うん、酒井さんも私も少し飲みすぎたみたいだ。会計へ行こう」

