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記憶の彼方に眠る恋
第6章 両親の決断、紗友莉たちの苦悩

そういうわけで、その週末は、拓麻の実家ではなく、紗友莉の実家前にて落ち合った紗友莉と拓麻。
拓麻の両親に、逢っていることがバレてはまずいからだ。
紗友莉のほうも自責の念に駆られており、「拓麻の両親の憤りはもっともなこと。私の自業自得」と思っていたこともあり、何度も拓麻に謝った。
拓麻は優しい表情で言う。
「気にしなくてもいい。両親もいずれ、お前の事は許してくれると思うから。さぁ、もうこの話はここまでにしよう」
そう言うと、南の方角を向いて言葉を続ける拓麻。
「あっちのほうに、高台があるって覚えてるか? 一昨日、お祖母ちゃんと会ったんだけど、よく紗友莉と俺が一緒にそこで遊んでると、当時の俺から聞いたことがあるらしい」
紗友莉にはおぼろげに、そんな記憶があった。
「あ、自然がいっぱい残ってる、けっこう見晴らしのいい場所だよね。すぐ近くに公園があって、そこの遊具でも遊んだ記憶があるよ」
「おお! 覚えてるのか! じゃあ、そこへ行ってみよう! じっとしていても何も状況は変わらないからな」
「うん」
紗友莉は内心「何か、記憶を取り戻しそうなキッカケだけでも掴みたい」と切に願いながら、頷いた。
拓麻の両親に、逢っていることがバレてはまずいからだ。
紗友莉のほうも自責の念に駆られており、「拓麻の両親の憤りはもっともなこと。私の自業自得」と思っていたこともあり、何度も拓麻に謝った。
拓麻は優しい表情で言う。
「気にしなくてもいい。両親もいずれ、お前の事は許してくれると思うから。さぁ、もうこの話はここまでにしよう」
そう言うと、南の方角を向いて言葉を続ける拓麻。
「あっちのほうに、高台があるって覚えてるか? 一昨日、お祖母ちゃんと会ったんだけど、よく紗友莉と俺が一緒にそこで遊んでると、当時の俺から聞いたことがあるらしい」
紗友莉にはおぼろげに、そんな記憶があった。
「あ、自然がいっぱい残ってる、けっこう見晴らしのいい場所だよね。すぐ近くに公園があって、そこの遊具でも遊んだ記憶があるよ」
「おお! 覚えてるのか! じゃあ、そこへ行ってみよう! じっとしていても何も状況は変わらないからな」
「うん」
紗友莉は内心「何か、記憶を取り戻しそうなキッカケだけでも掴みたい」と切に願いながら、頷いた。

