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記憶の彼方に眠る恋
第6章 両親の決断、紗友莉たちの苦悩
 拓麻の祖母に描いてもらった地図と、紗友莉の記憶を頼りに、その場所へとたどり着いた二人。
 ところが、二人が小学生だった当時とは違い、その近辺はかなり開発が進んでいるらしく、住宅が所狭しと立ち並んでいた。
 紗友莉の記憶にあるような、原っぱなど、どこにも見当たらない。
 嘆息しながら紗友莉が言った。
「ここ、ものすごく変わっちゃったみたい。昔はもっと、緑が残ってて、住宅もこんなにたくさんなかったよ……」
 紗友莉の記憶では、獣道や砂利道ばかりだったところも、今やアスファルトでしっかり舗装されていた。
 記憶を失った拓麻に初めて会いに来たあの日、移動中の電車内にて紗友莉が回想していた「拓麻と一緒に野山を駆け回って遊んだ」という大事な想い出が、環境の変化によって失われてしまったように感じ、紗友莉は寂しさと悲しさでいっぱいだ。
 紗友莉がさらに言葉を続ける。
「ここが当時、拓麻と一緒に遊んだ場所だなんて、私にもにわかには信じられないほど変わっちゃってる……」
「そうか……。紗友莉がそう言うくらいなら、俺がこの風景を眺めて何か思い出す可能性も低いな。さっき紗友莉が言ってた、この近くにあるという公園にも一応行ってみてもいいか?」
「うん、もちろん。あの公園、今でもあればいいんだけど……」
 変わってしまった風景にガッカリしながら、紗友莉は拓麻の前へ進み出て、記憶を頼りにその公園を探し始めた。
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