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記憶の彼方に眠る恋
第6章 両親の決断、紗友莉たちの苦悩
 住宅地の合間に、その小さな公園は今も残っていた。
 少しホッとした紗友莉は「よかった」と呟き、拓麻のほうを見る。
 しかし、拓麻の記憶には何の引っ掛かりもないらしく、この公園を見ても「初めて来た」とでも言いたげな様子とリアクションだ。
 そこかしこに点在する木々や、公園の周囲に少しだけ生い茂っている草むらなどが、紗友莉に当時の姿を思い起こさせていた。
 特にこれといった考えもなしに、何気なくブランコへと向かう紗友莉。
 そして、奥に紗友莉が腰を下ろすと、後をついてきた拓麻がもう一方に座った。
 紗友莉が感慨深げに言う。
「よく拓麻と、こうして並んで乗ってたこと、今でも覚えているよ」
「そっか……。うーん、俺には思い出せない」
 少しガッカリした紗友莉は、勢い良くブランコからとびのいた。
 だが、着地の際に、バランスを崩しかけてよろめいてしまう。
 どうにか転ばずに済んだ紗友莉は、自身のドジが恥ずかしく、拓麻のほうを振り返った。
 ところが、紗友莉のそんな恥ずかしさは、拓麻の様子を見て一瞬にしてどこかへ消えてしまう。
 拓麻はポカンと口を開けたまま、目を見開き、何かに気づき驚いたような様子をしていたからだ。
「拓麻、どうしたの? 何か思い出した?」
「い、いや……そんなことより、紗友莉。大丈夫か?」
「私は大丈夫。ねぇ、何か思い出したなら、教えて」
「気のせいかなぁ。何だか、以前にもこんな風なこと、あったような、なかったような……」
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