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記憶の彼方に眠る恋
第6章 両親の決断、紗友莉たちの苦悩
 同じ頃、鳴澤の家では―――。
 鳴澤はここ数日で薄っすらと気づき始めていた。
 もしかしたら、綾子に恋をしたのかもしれない―――ということに。
 しかし、鳴澤はすぐには完全に認める気にはなれなかった。
 過去に、「一夜の関係から、恋愛関係に発展した女性との交際が破局し、その女性を結果的に深く傷つけてしまう結果となった」という出来事があり、トラウマと化していたからだ。
 鳴澤の中では、「そもそも、一夜の関係だけで、すっかりのぼせ上がり、交際開始したのが間違いだった。もっと慎重になるべきところだった」と反省ばかりを残す出来事だった。
 もっとも、別れた理由は、「ちょうどその頃、お互いの仕事が忙しくすれ違いが続いたから」ということであり、鳴澤に直接的な非があるとはいえないのだが、鳴澤にとっては「そんなキッカケから、安易に交際開始したがった自らが悪かった」としか思えないのだ。

 それに、「鳴澤は長らく、紗友莉に対しても、少なくとも綾子に対してと同程度の好感を抱いていた」ということも、鳴澤がこの恋を素直に認めたくない一因かもしれない。
 たった一晩肌を合わせただけで、綾子だけしか見えなくなるなどといったような、いい加減な態度は、鳴澤にとって受け入れがたいものだったということもいえる。
 というわけで、どうにかして「この気持ちは、恋人でもない部下と寝てしまったという後ろめたさなのだ」と思い込みたい鳴澤は、そのことを証明したい一心で、綾子に電話をかけることにした。
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