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記憶の彼方に眠る恋
第2章 過去の恋、現在の憧れ

今から約9年前の5月28日―――。
この日は、紗友莉の16歳の誕生日だった。
クラスメイトや中学時代の友達など、多くの人から「おめでとう」の言葉やメールを受け取った紗友莉。
それだけでもとても嬉しい日となっていたことは間違いないのだが、下校時に最も嬉しい出来事が待ち構えていた。
いつもどおり、美香を始めとする、仲の良いクラスの友人たちと一緒に下校しようとした紗友莉。
そんな紗友莉に向かって、同じくクラスメイトの溝端拓麻(みぞばた・たくま)が声をかけてきた。
「あ、紗友莉。今日は俺も一緒に帰るぞ」
「え? 部活の練習は?」
拓麻はサッカー部に所属しており、放課後は大抵その練習へ向かうのが常となっていたのだ。
「今日は色々あるから休む。もちろん、顧問の先生には伝えてある」
心の中で、「何の用事なのかなぁ」と呟きつつも、そこまで立ち入った質問はできずに紗友莉が答える。
「じゃあ、一緒に帰ろっか」
こうして、この日は拓麻も、紗友莉や美香たちと一緒に帰ることとなったのだった。
この日は、紗友莉の16歳の誕生日だった。
クラスメイトや中学時代の友達など、多くの人から「おめでとう」の言葉やメールを受け取った紗友莉。
それだけでもとても嬉しい日となっていたことは間違いないのだが、下校時に最も嬉しい出来事が待ち構えていた。
いつもどおり、美香を始めとする、仲の良いクラスの友人たちと一緒に下校しようとした紗友莉。
そんな紗友莉に向かって、同じくクラスメイトの溝端拓麻(みぞばた・たくま)が声をかけてきた。
「あ、紗友莉。今日は俺も一緒に帰るぞ」
「え? 部活の練習は?」
拓麻はサッカー部に所属しており、放課後は大抵その練習へ向かうのが常となっていたのだ。
「今日は色々あるから休む。もちろん、顧問の先生には伝えてある」
心の中で、「何の用事なのかなぁ」と呟きつつも、そこまで立ち入った質問はできずに紗友莉が答える。
「じゃあ、一緒に帰ろっか」
こうして、この日は拓麻も、紗友莉や美香たちと一緒に帰ることとなったのだった。

