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記憶の彼方に眠る恋
第4章 再会

「好きな女からそんなこと言われて、しかもこんなに近いところに顔があって、我慢できるわけないだろ。紗友莉は別に怒ってないよな?」
「お、怒ってはないけど、びっくりするし……それに、他の人に見られたら大変なことになるから……」
「紗友莉は本当に優しいな。分かったよ、今後こういうことはなるべく控える。ただし、俺が記憶を取り戻したそのときには、堂々と告白するから覚悟はしておいてくれよ。いったん断ってきたとしても、俺は簡単には諦めないからな。そのときには、平等院さんとの婚約も解消していて自由の身になっているはずだし、何のしがらみも邪魔もなく、お前を落としにいくから」
紗友莉の心臓は速い鼓動を続けている。
過去に唯一お付き合いした賢人が、穏やかな人柄だったこともあり、こんな風に男性からグイグイ迫ってこられることは全く経験がないのだ。
しかも、相手が、かつての想い人である拓麻だったからなおさらだった。
うろたえているのをごまかすように紗友莉が口を開く。
「う、うん、記憶が早く戻りますように……。じゃ、お大事にして……ゆっくり休んでね。ああ、お見送りはいいから!」
「そういうわけにはいかないって。見送りだけはさせてくれ。その後すぐ、この部屋に戻ってきて休むから。そのくらい、いいだろ?」
元々、頼み込まれると断りきれないことも多い性格の紗友莉が折れるのにそう時間はかからなかった。
拓麻の体調に関しては、心配と不安でいっぱいではあったのだが。
「お、怒ってはないけど、びっくりするし……それに、他の人に見られたら大変なことになるから……」
「紗友莉は本当に優しいな。分かったよ、今後こういうことはなるべく控える。ただし、俺が記憶を取り戻したそのときには、堂々と告白するから覚悟はしておいてくれよ。いったん断ってきたとしても、俺は簡単には諦めないからな。そのときには、平等院さんとの婚約も解消していて自由の身になっているはずだし、何のしがらみも邪魔もなく、お前を落としにいくから」
紗友莉の心臓は速い鼓動を続けている。
過去に唯一お付き合いした賢人が、穏やかな人柄だったこともあり、こんな風に男性からグイグイ迫ってこられることは全く経験がないのだ。
しかも、相手が、かつての想い人である拓麻だったからなおさらだった。
うろたえているのをごまかすように紗友莉が口を開く。
「う、うん、記憶が早く戻りますように……。じゃ、お大事にして……ゆっくり休んでね。ああ、お見送りはいいから!」
「そういうわけにはいかないって。見送りだけはさせてくれ。その後すぐ、この部屋に戻ってきて休むから。そのくらい、いいだろ?」
元々、頼み込まれると断りきれないことも多い性格の紗友莉が折れるのにそう時間はかからなかった。
拓麻の体調に関しては、心配と不安でいっぱいではあったのだが。

