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記憶の彼方に眠る恋
第2章 過去の恋、現在の憧れ

その小さな箱を開けると、ライトピンクのシュシュが出てきた。
「ありがとう! 早速明日から使わせてもらうね!」
本当は跳びはねるほど嬉しかった紗友莉だったが、駅前の路上だということもあり、そしてまた、恥ずかしかったこともあり、こころもち抑え気味に喜びを表した。
すると拓麻は、普段どおりの堂々とした口調で言う。
「いや、使いたいときだけでいいって。『是非すぐ着けてみてくれ』っていう意味で渡すんじゃないから」
「だって、本当に気に入ったもん。そろそろ新しいのが欲しかったところだし」
「そっか……じゃあ、お前の好きなときに使ってくれればいいけど……。でも、俺から貰ったってこと、絶対誰にも言うなよ。まーた、クラスで冷やかされるぞ」
二人は小中高とずっと同じ学校だということもあって、入学早々から「付き合ってるんじゃないのか」などと冷やかされることが再三あったのだ。
ちなみに、二人が同じクラスだということは決して偶然ではない。
二人が通う高校では、「特別進学コース」が1学年につき1クラスだけしかなく、二人ともそのコースを選んで受験し合格したのだ。
特別進学コースはその名のとおり、普通科よりも勉学に特化したコースであり、当然ながら合格するのも大変な狭き門だった。
「ありがとう! 早速明日から使わせてもらうね!」
本当は跳びはねるほど嬉しかった紗友莉だったが、駅前の路上だということもあり、そしてまた、恥ずかしかったこともあり、こころもち抑え気味に喜びを表した。
すると拓麻は、普段どおりの堂々とした口調で言う。
「いや、使いたいときだけでいいって。『是非すぐ着けてみてくれ』っていう意味で渡すんじゃないから」
「だって、本当に気に入ったもん。そろそろ新しいのが欲しかったところだし」
「そっか……じゃあ、お前の好きなときに使ってくれればいいけど……。でも、俺から貰ったってこと、絶対誰にも言うなよ。まーた、クラスで冷やかされるぞ」
二人は小中高とずっと同じ学校だということもあって、入学早々から「付き合ってるんじゃないのか」などと冷やかされることが再三あったのだ。
ちなみに、二人が同じクラスだということは決して偶然ではない。
二人が通う高校では、「特別進学コース」が1学年につき1クラスだけしかなく、二人ともそのコースを選んで受験し合格したのだ。
特別進学コースはその名のとおり、普通科よりも勉学に特化したコースであり、当然ながら合格するのも大変な狭き門だった。

