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記憶の彼方に眠る恋
第4章 再会

だが、すぐさま、拓麻の父親が慌てた様子で言った。
「いや、しかし……。突然そんなこと言われましても……。婚約記念パーティまで既に開いていますし、今さら解消するだなんて、本当に大変なことですよ」
「私としても、こういうご提案をするのは心苦しい限りではありますが、事情が事情なので。現在、最も辛く苦しい思いをされているのは、間違いなく拓麻さんだと私は思いますし……」
ここでちらりと隣の拓麻へ視線を送ってから、言葉を継ぐ望未。
「そしてもちろん、拓麻さんが完全に記憶を取り戻されたときには、拓麻さんやお父様お母様さえよろしければ、また再び婚約させていただきたいと考えております。あくまでも、『一時的な処置』ということで……いかがでしょう?」
またしても拓麻が元気良く、「渡りに船」とでも思っている様子を隠そうともせず言った。
「俺としても大変ありがたい申し出です。何せ、今の俺は、記憶を取り戻すことに必死でして、他のことは一切考えられない状態です。苦しいんです」
「拓麻さん、心中お察しいたします。拓麻さんの心のご負担をいくばくかでも減らせるのであれば、いったん婚約解消させていただきたいと思いますが……どうでしょう?」
「いや、しかし……。突然そんなこと言われましても……。婚約記念パーティまで既に開いていますし、今さら解消するだなんて、本当に大変なことですよ」
「私としても、こういうご提案をするのは心苦しい限りではありますが、事情が事情なので。現在、最も辛く苦しい思いをされているのは、間違いなく拓麻さんだと私は思いますし……」
ここでちらりと隣の拓麻へ視線を送ってから、言葉を継ぐ望未。
「そしてもちろん、拓麻さんが完全に記憶を取り戻されたときには、拓麻さんやお父様お母様さえよろしければ、また再び婚約させていただきたいと考えております。あくまでも、『一時的な処置』ということで……いかがでしょう?」
またしても拓麻が元気良く、「渡りに船」とでも思っている様子を隠そうともせず言った。
「俺としても大変ありがたい申し出です。何せ、今の俺は、記憶を取り戻すことに必死でして、他のことは一切考えられない状態です。苦しいんです」
「拓麻さん、心中お察しいたします。拓麻さんの心のご負担をいくばくかでも減らせるのであれば、いったん婚約解消させていただきたいと思いますが……どうでしょう?」

