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記憶の彼方に眠る恋
第5章 活動開始と友人たち

そうして美香がスマホに視線を落としている間に、拓麻が紗友莉に小声で言った。
「ダメだ。美香……だっけ? この子のことも全く覚えてない」
「そっかぁ……。うーん、残念……」
「でも、紗友莉、お前の事は……『逢ったことがある』と言い切れる程度には覚えていたぞ。やっぱり俺にとって、紗友莉は運命の女らしいな」
「ちょ、ちょっと……。美香に聞こえちゃうってば」
ちょうどそのとき、美香がスマホを見るのをやめて顔を上げた。
慌てて会話を中断した紗友莉は、狼狽をごまかそうとして美香に向かって尋ねる。
「大事な用事? 時間、大丈夫?」
「ああ、大丈夫だよ~。学(まなぶ)君から、明日のデートについての連絡が入っただけ~」
「え? 確かついこの前の電話で、美香は彼氏の名前を言ってくれてたはずだけど、そんな名前だったかなぁ」
「もしかして速雄君のこと? 彼との関係はとっくに終わってるよ! 学君は彼氏じゃなくて、今はあくまでも候補生かな~。とりあえず試しにデートする、みたいな感じ!」
美香の説明によると、かつて家庭教師をしていた頃の教え子の一人らしい。
その当時、美香は大学生、学は高校生だったという。
「で、その学君と、明日デートする予定なの。今、学君も私もフリーだし、デートくらいしてもいいでしょ」
「別に悪いとは言ってないけど……」
紗友莉はそう言うと、続けて「デート楽しんできてね」と言っておいた。
「ありがとう! ごめんごめん、私の話ばっかりで、肝心の拓麻君の話に入れてなかったね」
さすがに少し申し訳なさそうに言う美香に、拓麻と紗友莉は状況を説明していく。
そして、美香と紗友莉は色々な想い出話を拓麻に聞かせたが、残念ながら拓麻が覚えているものは何一つとしてなかった。
「ダメだ。美香……だっけ? この子のことも全く覚えてない」
「そっかぁ……。うーん、残念……」
「でも、紗友莉、お前の事は……『逢ったことがある』と言い切れる程度には覚えていたぞ。やっぱり俺にとって、紗友莉は運命の女らしいな」
「ちょ、ちょっと……。美香に聞こえちゃうってば」
ちょうどそのとき、美香がスマホを見るのをやめて顔を上げた。
慌てて会話を中断した紗友莉は、狼狽をごまかそうとして美香に向かって尋ねる。
「大事な用事? 時間、大丈夫?」
「ああ、大丈夫だよ~。学(まなぶ)君から、明日のデートについての連絡が入っただけ~」
「え? 確かついこの前の電話で、美香は彼氏の名前を言ってくれてたはずだけど、そんな名前だったかなぁ」
「もしかして速雄君のこと? 彼との関係はとっくに終わってるよ! 学君は彼氏じゃなくて、今はあくまでも候補生かな~。とりあえず試しにデートする、みたいな感じ!」
美香の説明によると、かつて家庭教師をしていた頃の教え子の一人らしい。
その当時、美香は大学生、学は高校生だったという。
「で、その学君と、明日デートする予定なの。今、学君も私もフリーだし、デートくらいしてもいいでしょ」
「別に悪いとは言ってないけど……」
紗友莉はそう言うと、続けて「デート楽しんできてね」と言っておいた。
「ありがとう! ごめんごめん、私の話ばっかりで、肝心の拓麻君の話に入れてなかったね」
さすがに少し申し訳なさそうに言う美香に、拓麻と紗友莉は状況を説明していく。
そして、美香と紗友莉は色々な想い出話を拓麻に聞かせたが、残念ながら拓麻が覚えているものは何一つとしてなかった。

