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記憶の彼方に眠る恋
第2章 過去の恋、現在の憧れ

そこで回想を打ち切り、我に返った紗友莉。
当時の自分は必死で「そんなはずはない」と打ち消し続けてきたのだが、現在ではもうはっきりと、「高校当時の自分は、拓麻に恋をしていた」ということははっきりと自覚している。
いつから恋し始めたのかは紗友莉自身にも不明だが、少なくとも中学生の時点で既にその恋の萌芽があったことは間違いないようだ。
だからこそ、あんなに必死になって勉強したのだから。
拓麻と同じ高校に通いたい、その一念で。
だが、紗友莉はどうしても拓麻への恋心を素直に認めることができず、ようやく認めたのは二人が離れ離れになってしまってからだった。
拓麻は建築の勉強のため、アメリカの大学へと進学したのだ。
当然ながら、恋に気づいた紗友莉にとって、寂しさやつらさは大きかったが、それでも「告白すればよかった」という後悔は一切なかった。
告白し、もしフラれてしまった場合、元々あった「幼なじみ」や「親友」の関係すら崩壊してしまう可能性があり、それが何より怖かったからだ。
そして今、自分の部屋にて一人、ピンクのシュシュを見つめながら当時の恋を回顧し、寂しさをこらえて微笑する紗友莉。
当時の自分は必死で「そんなはずはない」と打ち消し続けてきたのだが、現在ではもうはっきりと、「高校当時の自分は、拓麻に恋をしていた」ということははっきりと自覚している。
いつから恋し始めたのかは紗友莉自身にも不明だが、少なくとも中学生の時点で既にその恋の萌芽があったことは間違いないようだ。
だからこそ、あんなに必死になって勉強したのだから。
拓麻と同じ高校に通いたい、その一念で。
だが、紗友莉はどうしても拓麻への恋心を素直に認めることができず、ようやく認めたのは二人が離れ離れになってしまってからだった。
拓麻は建築の勉強のため、アメリカの大学へと進学したのだ。
当然ながら、恋に気づいた紗友莉にとって、寂しさやつらさは大きかったが、それでも「告白すればよかった」という後悔は一切なかった。
告白し、もしフラれてしまった場合、元々あった「幼なじみ」や「親友」の関係すら崩壊してしまう可能性があり、それが何より怖かったからだ。
そして今、自分の部屋にて一人、ピンクのシュシュを見つめながら当時の恋を回顧し、寂しさをこらえて微笑する紗友莉。

