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記憶の彼方に眠る恋
第2章 過去の恋、現在の憧れ

紗友莉はポツリと、「やっぱり、自分の気持ちに当時は気づかず、告白せずに済んで本当によかった……。もし告白してフラれ、気まずくなってたら、『電話やメールで連絡を取り合える』という現在の関係までも無くなっていたはずだから……」と独り言を呟く。
2年前に、大学卒業と同時に拓麻は帰国してきており、それまでよりは連絡を取り合う頻度が上がっているのだ。
ただ、拓麻への恋はもうほとんど消え去ってしまっていた。
確かに、「ほとんど」であって「完全に」ではないのだが、少なくとも紗友莉自身は「拓麻への恋がまだ僅かに存在するとしても、それが実ることは絶対にあり得ない」ということを知っている。
現在の拓麻には婚約者がいるということを、本人から聞いて紗友莉も知っているからだ。
紗友莉は、その婚約者の写真を見たことすらない。
だが、高校卒業後もずっと変わらず紗友莉の親友で、しょっちゅう連絡を取り合っている美香の話では「相当な美人。しかも良家の息女」ということらしい。
拓麻も実家がすごく大きくて、まさに「御曹司」という感じであり、話を聞く限りその婚約者さんとはお似合いだろうということは紗友莉にも容易に想像できる。
もっとも、イケメンでスポーツ万能、成績優秀、かつ実家もかなりの名家だという拓麻の恋人として、平々凡々な自分は不釣合いだということは、紗友莉としても元から重々分かっていたのだが。
ふう、と一つ大きな溜め息をついた紗友莉は虚空を見上げながら、まるで自分に言い聞かせるかのように呟いた。
「告白しないでよかった……うん、本当に……本当に……」
2年前に、大学卒業と同時に拓麻は帰国してきており、それまでよりは連絡を取り合う頻度が上がっているのだ。
ただ、拓麻への恋はもうほとんど消え去ってしまっていた。
確かに、「ほとんど」であって「完全に」ではないのだが、少なくとも紗友莉自身は「拓麻への恋がまだ僅かに存在するとしても、それが実ることは絶対にあり得ない」ということを知っている。
現在の拓麻には婚約者がいるということを、本人から聞いて紗友莉も知っているからだ。
紗友莉は、その婚約者の写真を見たことすらない。
だが、高校卒業後もずっと変わらず紗友莉の親友で、しょっちゅう連絡を取り合っている美香の話では「相当な美人。しかも良家の息女」ということらしい。
拓麻も実家がすごく大きくて、まさに「御曹司」という感じであり、話を聞く限りその婚約者さんとはお似合いだろうということは紗友莉にも容易に想像できる。
もっとも、イケメンでスポーツ万能、成績優秀、かつ実家もかなりの名家だという拓麻の恋人として、平々凡々な自分は不釣合いだということは、紗友莉としても元から重々分かっていたのだが。
ふう、と一つ大きな溜め息をついた紗友莉は虚空を見上げながら、まるで自分に言い聞かせるかのように呟いた。
「告白しないでよかった……うん、本当に……本当に……」

