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記憶の彼方に眠る恋
第5章 活動開始と友人たち
最後の部分は、やや自嘲気味に言う淳次。
拓麻は当然の疑問を発した。
「じゃあなんで、俺とはこうして仲良くしてくれてるんだ?」
頷きながら淳次は答える。
いつになく真剣な眼差しで。
「恩を感じているから、というのが理由の1つ。だけど正直に言うと、『馬が合うから』というのが一番の理由かもな。ああ、その恩っていうのは……」
そこで淳次は高校時代の出来事を話した。
入学間もない頃、不良っぽい連中から絡まれているところを、拓麻に助けてもらったという出来事を。
そして淳次はしみじみした様子で言葉を継いだ。
「拓麻は、普段は全くケンカなんかするタイプじゃないし、言い争いすら滅多にしないくせに、ものすごい度胸と腕力で。当時、単なるクラスメイトに過ぎなかった俺を、損得勘定抜きで助けてくれたんだ。あのときは本当にありがとな。俺は絶対そのことを忘れない」
「そんなことがあったのか。記憶を失くす前の俺に対して恩義を感じてくれてるから、今こうして俺の記憶が戻ることを願ってくれているのか」
「俺は大した手助けもできてないけどな。でも、俺に何か手伝えそうなことがあったら、何でも言ってくれ」
そう言い終わった後、照れ笑いを浮かべて淳次が言葉を続ける。
「なんか、柄でもないから、こういう話はもう終わりにするか!」
その後淳次は、高校時代の想い出話を幾つか、拓麻に聞かせた。
拓麻は当然の疑問を発した。
「じゃあなんで、俺とはこうして仲良くしてくれてるんだ?」
頷きながら淳次は答える。
いつになく真剣な眼差しで。
「恩を感じているから、というのが理由の1つ。だけど正直に言うと、『馬が合うから』というのが一番の理由かもな。ああ、その恩っていうのは……」
そこで淳次は高校時代の出来事を話した。
入学間もない頃、不良っぽい連中から絡まれているところを、拓麻に助けてもらったという出来事を。
そして淳次はしみじみした様子で言葉を継いだ。
「拓麻は、普段は全くケンカなんかするタイプじゃないし、言い争いすら滅多にしないくせに、ものすごい度胸と腕力で。当時、単なるクラスメイトに過ぎなかった俺を、損得勘定抜きで助けてくれたんだ。あのときは本当にありがとな。俺は絶対そのことを忘れない」
「そんなことがあったのか。記憶を失くす前の俺に対して恩義を感じてくれてるから、今こうして俺の記憶が戻ることを願ってくれているのか」
「俺は大した手助けもできてないけどな。でも、俺に何か手伝えそうなことがあったら、何でも言ってくれ」
そう言い終わった後、照れ笑いを浮かべて淳次が言葉を続ける。
「なんか、柄でもないから、こういう話はもう終わりにするか!」
その後淳次は、高校時代の想い出話を幾つか、拓麻に聞かせた。