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記憶の彼方に眠る恋
第6章 両親の決断、紗友莉たちの苦悩

それから約2週間後―――。
紗友莉を含む周囲の人々の懸命な努力も空しく、拓麻の記憶は戻らなかった。
かすかな光明すら見えないこの状況を受け、拓麻の両親は拓麻をリビングに呼び出し、話をすることに。
その場に、ここ数週間にわたって協力してくれている紗友莉も同席を許された。
この「家族会議」のような空気の場にて、拓麻の父親が早速口を開く。
「単刀直入に言うが、アメリカへと戻って建築の勉強を再開するのはどうか?」
とっくに嫌な予感はしていた紗友莉だったが、まさかこういう話が来るとは微塵も予想しておらず、呆気に取られる。
それは拓麻も同様だったようだ。
父親が続けて説明する。
「率直に言って、このままずっとここにいても、記憶が戻る見込みは薄そうだろ。それに対して、渡米中のお前は、実に生き生きしていて、大学でも好成績だったそうじゃないか。新米建築士として、いざこれからっていうときに、こういう事故に遭ってしまったのが本当に不運だった。アメリカなら、そういう勉強を続けるのにも適しているし、記憶が完全に戻らないうちでも、建築士として活動しやすいんじゃないかと思ってな」
紗友莉を含む周囲の人々の懸命な努力も空しく、拓麻の記憶は戻らなかった。
かすかな光明すら見えないこの状況を受け、拓麻の両親は拓麻をリビングに呼び出し、話をすることに。
その場に、ここ数週間にわたって協力してくれている紗友莉も同席を許された。
この「家族会議」のような空気の場にて、拓麻の父親が早速口を開く。
「単刀直入に言うが、アメリカへと戻って建築の勉強を再開するのはどうか?」
とっくに嫌な予感はしていた紗友莉だったが、まさかこういう話が来るとは微塵も予想しておらず、呆気に取られる。
それは拓麻も同様だったようだ。
父親が続けて説明する。
「率直に言って、このままずっとここにいても、記憶が戻る見込みは薄そうだろ。それに対して、渡米中のお前は、実に生き生きしていて、大学でも好成績だったそうじゃないか。新米建築士として、いざこれからっていうときに、こういう事故に遭ってしまったのが本当に不運だった。アメリカなら、そういう勉強を続けるのにも適しているし、記憶が完全に戻らないうちでも、建築士として活動しやすいんじゃないかと思ってな」

