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記憶の彼方に眠る恋
第6章 両親の決断、紗友莉たちの苦悩
 割と容易に、拓麻に追いついた紗友莉は、拓麻に言われるがまま、自身の実家へと案内していくことに。
 拓麻の部屋で話し合っていては、すぐに拓麻の両親からの邪魔が入ると思ったのだろう。
 紗友莉の両親は家を空けているらしく、カギが掛かっていたので、紗友莉は携帯している合鍵を使って玄関のドアを開け、すぐさま自室へと拓麻を案内した。

 紗友莉の部屋に、二人で入るや否や―――。
 拓麻は紗友莉を正面から思いっきり抱きしめてきた。
 入室後いきなりの抱擁に、驚きと共に戸惑いを隠せない紗友莉。
 しかし、同時に抑えきれぬほどの喜びもまた、紗友莉の中にはあった。
 拓麻は何のためらいもなく、紗友莉の唇に熱烈なキスを浴びせつつ、熱い吐息と共に言う。
「一緒にアメリカへ渡ってくれ、頼む」
 だが、紗友莉にはそれがどうしても出来ないのだ。
 最も大きな理由は、紗友莉が飛行機恐怖症だということだった。

 実は、深い絆を築いていた賢人との悲しい別れを強いられた主な原因も、全く同じだ。
 実家が飲食店を経営しており、その影響もあってソムリエに興味を抱いた賢人が、フランスへと渡る強い決意を持つに至ったのだが―――。
 飛行機嫌いで、外国語が一切話せず、さらに海外の治安も心配だという紗友莉は、どうしても一緒に行くことは出来なかった。
 そして、「遠距離恋愛は続かないだろう」と、どちらからともなくそういう話になって、結果別れることになってしまったのだ。
 お互いの気持ちは変わらぬままだったので、賢人も紗友莉もツラかったが、別れを選ぶしかなかった―――というのが実情だった。
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