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記憶の彼方に眠る恋
第6章 両親の決断、紗友莉たちの苦悩
 そんなわけで、幾らこういう状況下で懇願されても、紗友莉には承諾することが不可能だったといえる。
 ただ、「ノー」と言うのが苦しくて、紗友莉はなかなか答えることが出来なかった。
 返事をしない紗友莉の唇や頬に、拓麻はキスの雨を降らせていく。
 紗友莉は徐々に恍惚としてきて、自身のガードが緩んでいくことをおぼろげに感じていた。
 驚きも動揺も、今は全て消え去り、甘美な感覚が紗友莉の全身を痺れさせている。
 既に、紗友莉は現在の自分の気持ちに気づいていた。
 拓麻のことが好きだという気持ちに。

 綾子たちに、拓麻の件についての事情を説明したあの日の昼休み、綾子から「拓麻君のことが好きなんでしょ?」と聞かれた際、自然と指で唇―――拓麻からキスを受けた場所―――を触れていたことや、美香と拓麻と三人で会った日、拓麻の「嫉妬してるのか?」という言葉に思わずドキッとしたことなど、色々な出来事から自分の気持ちに徐々に気づき始めていたのだった。
 そして、「拓麻とまた離れ離れになってしまうかもしれない」という事態になった今、ついに紗友莉は「拓麻のことが、他の誰よりも好き」という自分の気持ちにはっきり気づいたのだ。
 ただし、だからといって、飛行機嫌いが一瞬にして治るわけでもない。
 紗友莉の心の中は、大きな葛藤でいっぱいになっていた。
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