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記憶の彼方に眠る恋
第6章 両親の決断、紗友莉たちの苦悩
 そんな紗友莉を至近距離からじっと見つめると、拓麻はそっと紗友莉の耳元へ口を寄せて言った。
「紗友莉、セックスしよう。お前が今すぐ欲しい……」
 紗友莉が驚きの声をあげる寸前に、その唇は再び拓麻の唇でふさがれた。
 目を閉じ、拓麻の唇の感触をひたすら味わう紗友莉。
 拓麻は紗友莉の唇を貪りながら、舌まで差し出してきた。
 紗友莉も自然と自らの舌で応じ、二人の舌はねっとりと絡み合う。
 深く激しいキスを交わすうちに、紗友莉の秘所はしっとりと濡れ始めていた。
 長いキスを終えると、またしても拓麻が耳元で囁いてくる。
「セックスしたい……。もう我慢できるはずないだろ……」
 だが、拓麻が記憶喪失であることや、望未との婚約が再開する可能性があることなど、そうした現状が、紗友莉に重くのしかかっており、首肯しにくい状況なのだ。
 このままだと、自分の理性が耐え切れないという焦りから、紗友莉は苦し紛れに言った。
「あのね……拓麻……。私、謝らないといけないことがあって……」
 またぴたりと動きを止めると、「なんだ?」と尋ねる拓麻。
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