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記憶の彼方に眠る恋
第6章 両親の決断、紗友莉たちの苦悩
「うん……拓麻は全然怒ってなくて……ケガしたのも『自分で勝手にケガした』って言ってくれてたことを、おぼろげながら覚えてるよ……。でも私は、ケガさせちゃったこと、ずっとショックで……」
「気にするなってば、そんなこと。まさか、そんなことで、俺が紗友莉に幻滅するとでも思ったのか? 俺の想いがどれだけ強いのか、まだ分かってないなら、今すぐ紗友莉に分からせてやる」
 そう言うと、拓麻は熱烈なキスと囁きを再開した。
 虚を突かれた紗友莉は、ますます陶酔するような興奮を味わわされることに。
「紗友莉……愛してるよ……。今すぐ、紗友莉が欲しい。俺ほど、紗友莉の事を深く激しく愛する男は、過去にも未来にも、他には絶対いない」
「んっ……あぁ……拓麻……」
 心に溢れた「愛してる」という言葉が喉まで出かかった紗友莉。
 すんでのところで堪えたが、恍惚と陶酔に支配された紗友莉の肉体は、激しく拓麻を欲してしまっていた。
 秘所からの花蜜は溢れ出るばかりだ。
 紗友莉の身体は火照りに火照り、いつしか自ずと、拓麻の身体をそっと抱き寄せてしまっていた。
 そこへ「これでもか」とばかりに、拓麻は囁きとキスの熱意と頻度を倍加する。
「セックスしたい。今すぐ紗友莉を抱きたい。お前しかダメなんだ、俺は……。1回だけでも抱かせてくれ……。俺は無理やり紗友莉を犯すような真似はしたくない。承諾の返事をくれ……。1回だけでいいから、今すぐ抱かせてくれ……。愛してるよ、紗友莉。心から……。お前が愛しすぎて、苦しいほどに……」
「い、1回だけ……なら……」
 とうとう紗友莉は、そう口にしてしまっていた。
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