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記憶の彼方に眠る恋
第6章 両親の決断、紗友莉たちの苦悩

拓麻の力強い言葉を聞いた瞬間、どういうわけか、紗友莉は嫌な胸騒ぎを感じてしまう。
紗友莉の中に、とある懸念が発生したのだ。
それをそのまま、紗友莉は伝えた。
「ねぇ……。 もし記憶が戻れば今度はそれと引き換えに、記憶を失っている間……こうして拓麻と私が一緒に過ごしている間……の記憶がなくなるようなことはないかな……。何だか心配になってきた……」
「もしそうなったとしても、何の問題もない。記憶を失くす前から、俺は紗友莉の事を愛してたはずだ。根拠というと、紗友莉と再会したとき『どこかで会った』と感じたあの感覚だけかもしれないけど、不思議と俺は確信してるんだ」
「……本当にそうだったらいいんだけど……やっぱり心配……」
「でも現状、記憶を取り戻そうと頑張る以外に、道はないだろ。何も起こらないまま期限が来てしまうと、俺は両親に従って渡米するか、お前と一緒に駆け落ちするかの二択を迫られるんだぞ。俺はもう紗友莉なしには生きられないから前者はあり得ないとしても、後者を選ぶと紗友莉が困るんだろ。紗友莉の両親にも会えなくなるから」
紗友莉の中に、とある懸念が発生したのだ。
それをそのまま、紗友莉は伝えた。
「ねぇ……。 もし記憶が戻れば今度はそれと引き換えに、記憶を失っている間……こうして拓麻と私が一緒に過ごしている間……の記憶がなくなるようなことはないかな……。何だか心配になってきた……」
「もしそうなったとしても、何の問題もない。記憶を失くす前から、俺は紗友莉の事を愛してたはずだ。根拠というと、紗友莉と再会したとき『どこかで会った』と感じたあの感覚だけかもしれないけど、不思議と俺は確信してるんだ」
「……本当にそうだったらいいんだけど……やっぱり心配……」
「でも現状、記憶を取り戻そうと頑張る以外に、道はないだろ。何も起こらないまま期限が来てしまうと、俺は両親に従って渡米するか、お前と一緒に駆け落ちするかの二択を迫られるんだぞ。俺はもう紗友莉なしには生きられないから前者はあり得ないとしても、後者を選ぶと紗友莉が困るんだろ。紗友莉の両親にも会えなくなるから」

