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私の結婚式前夜
第6章 ひとつに……

 《私》にお兄ちゃんの生温かい舌を感じる。ピチャピチャと猫がミルクを啜るように……。

「夏芽の……かわいい……」

 私の一番感じる場所に近くなったり、遠くなったり……。もどかしい……。

「ああ……、そこ……あん……お兄ちゃんのエッチ……」と言いながら腰が動いてしまう。

 お兄ちゃんの舌が私の敏感な芽を捉える。それが上下左右に弾かれる。

「ああっ……」

 背中に鋭い電流が走る。身体がピョコンと飛び跳ねて、背中がまた身体が反る。

 お兄ちゃんの舌先が敏感な芽を転がす。

 転がす。

 転がす。

 身体の奥がキュンと何かを絞る。バチッと頭の中で火花が散った。身体が暗闇に放り出される。

 ◇◇

「ああ……、う、うう……んっ」

 私は、ドサリとベッドに着地した。

 ゾクゾクした感じに身体が小さく震える。

 寒くもないのに……。

 ふうっ……。

 私は大きなため息をついた。

「ああん」と甘え声が漏れる。

「キモチよかった? 」

 お兄ちゃんが意地悪く聞いた。

「ああん……言えない」

 私は、またふうっと大きなため息をついてクスクスと笑った。なぜか可笑しかった。
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